マンアライヴ
3件の記録
脱兎@lubudat2026年6月11日読み終わった20世紀初頭の作品を読んでると、ちらほらこういう感じのファンタジックなやつに出会う。個人的には「巨匠とマルガリータ」とかと同じ感じがする。 チェスタトンは、のちのエラリー・クイーンだとか、またはコナン・ドイルほど現実的な展開をしない。まあいま改めて読めばコナン・ドイルだって一面神秘家じゃないか、となるかもしれないが、なんかもっとこう、かれらは実存的というか。チェスタトンだってめちゃくちゃをやってるわけではない。現実に起こり得ないことはあまり起こってない(女性の扱いはちょっとブラックボックスな気はするけど)。 この小説に書いてあることは、作家が「正統とは何か」に書いたカソリック信仰によく似ている。イノセントな神、形は変われど普遍的な教会、神の作りたもうた世界の全肯定。あの本を先に読むと、それの小説化ではないか、となってしまう。スミスは神であり、キリストである。ミズ・グレイは教会とかだと思う。完全に陽キャで登場した神さまが、現代の世俗の常識に裁かれて、何とか無罪で帰還する。本書はチェスタトンの宗教観を描いた、小説の形を借りた寓話だと思った。だから現代の目から見ると珍妙かもしれない。