東京下町殺人暮色 (光文社文庫 み 13-1)

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霧@yoruto2026年4月15日読み終わった借りてきたあらすじ 13歳の八木沢順が、刑事である父の道雄と生活を始めたのは、ウォーターフロントとして注目を集めている、隅田川と荒川にはさまれた東京の下町だった。そのころ町内では、“ある家で人殺しがあった”という噂で持ち切りだった。はたして荒川でバラバラ死体の一部が発見されて…。 p191〜、抜粋。 ぼっちゃまーーと、ハナは身を乗り出した。 「わたくしが申し上げたかったのは、人は誰でも武装するものだ、ということでございます。ただ、何で武装するかは、その人によって違います。鎧を着る人もいれば、鉄砲を持つ人もいます。空手を習う方もいるでしょう。そして、どう武装しているかによって、歩く場所も違ってまいります」 ハナの声は優しかった。 「旦那さまは、頑丈な鎧兜に身を固めておられます。ですから、野越え山越えずんずん進んで好きな道を進んでいらっしゃられます。でも奥様はーーぼっちゃまのお母さまは、小さな守り刀くらいしか身につけていらっしゃらないのでしょう。ハナはそう思います。ですから、旦那さまについていらっしゃりたくても、断念しなければならないときが来てしまったのではありますまいか。そしてそれは、旦那さまがお悪いのでも、奥様に非があるのでもございません。もちろんぼっちゃまのせいでもございません。こういうことを、『ご縁がなかった』と申すのでございますよ。悲しいけれど、ときには避けて通れないことでございます」