高校生のための科学評論エッセンス ちくま科学評論選

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- きよ@kiyomune2025年3月21日読んでるこの本は教科書ではないが、教科書に近しい。 そしてこの形態の書籍ほど、視野の狭さや視界の暗さを、即時的に教えてくれるものはない。 もちろん、入門を意識した論や、一部抜粋の論が多いので、「どうして視野が狭いのか/どうすればいいのか/どれほど暗いのか」等についてまでは、及ばないものが多い。 だが、環境に慣れ、疑いを忘れる私たちにとって、視野が狭いこと、視界が暗いことを、様々な知見から、そっと囁いてくれる存在が、どれだけありがたいものなのかは、言うに及ばない。 それなりに歳を重ねた頑迷な私にとっては、尚更である。 面白かった章 池内了さん「単純系VS複雑系」 世の中のわからなさを、投げ出しでもなく、寛容さのポーズでもなく、必要なものとして丁寧に取り扱う科学の姿勢に、頭が下がった。