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きよ
きよ
@kiyomune
本を、読むぞ!オー!
  • 2026年3月29日
    ほんのちょっと当事者
    自分がそのうち「当事者」になるであろうことから、たぶん縁遠いものまで、そのひとつひとつに含まれる「困り事」へ目を通しながら、自分がどう感じるか、観察しながら読んだ。 没入せず己の心の動きを客観視できたのは、おそらく( )付で入る自己ツッコミのせい。 (えええ⁈)(まぢか!)などという文言が入るたび、あまり笑えない漫才を見る時の、冷めた気持ちが湧き上がる。 文体としては、あまり好きではない。 とはいえ、このカッコ付きツッコミにより、文章とわたしの間に距離ができ、だからこそ、自分の思うところについて耳を澄ませるゆとりができたのかも知れず、そう考えると、この文体をどう受け止めて良いものか…… 冒頭、カードローンの話。 若い時の作者を、愚かだなと思う気持ちが確かにあり、でも、カードの仕組みや対処などをこれほどきちんと書ける人なら、どうして若い時これほど失敗するのだろうと不思議に思いもしたが、なんというか、この 「どうしようもない状況に陥った人の話を聞き、自分でどうにかできたのではと見下す」 ことで起こる問題は、世の中にはたくさんある。 こうした問題に寄り添える時と、自己責任と突き放してしまう時の、己の心の持ちようは、まだうまく掴めていない。 人間って、いつになったら成熟するのかしら。
  • 2026年3月18日
    群れから逸れて生きるための自学自習法
    急がば回れのあり方を、こんなに丁寧に言語化(捨てて/選んで)し、紐解くには、信念に相当の冷めない熱が必要だったのではないかしら、と驚く。 各教科を捩じ伏せる小手先のテクニックではなく、勉強がなんたるものかを述べた本なので、第一部をじっくり読めば、すべての教科の話に繋がるようになっている。 だというのに第二部、たとえ繰り返しになろうとも勉強の姿勢を再三繰り返しているのは、それぞれの科目固有の思い込みに、第一部で取り上げた理論でもってメスを入れ続けるためだと思われる。 とにかくすごい熱量。
  • 2026年3月17日
    王朝生活の基礎知識 古典のなかの女性たち
    これまで勉強してきたことの復習と、取りこぼしの確認に。 本棚に静かに寝かせていた本だったので、読み切り、自分の知識と齟齬がないことを確認できて一安心。 「成人の儀が、戌亥あたりの時間に行われるのが常だ」等々、古典を読むうち、自然と身についていた感覚を、明確に言い表わした文言に出会うと、知識として固定される。それが、妙にスッキリした感じがあってよかった。 新しい発見は、内侍所のうち、尚侍が中宮や女御に移行して、それが道長時代だったということ。 帝の秘書ナンバーワンは奥様、というのは、繊細な問題もあろうけれども、公私共に二人三脚、名実共にパートナーという感じで、なんだか素敵なことにも思えるな。
  • 2026年3月17日
    言語化するための小説思考
    「と、いうことで、ここまで考えてきたことを小説にします」とばかりに巻末、説明もなく採録された短編のユーモアよ。 どうにか小説が書けやしないかと悩み、実際に書いたことがあるので、取り上げられる悩みに頷いたり、この域のことを感じるには至りやしないなと笑ったりしながら読めたが、逆に、全く小説を書いたことのない人は、この本をどう読むのだろう。面白いな。 小説が芸術になりきれない、という話は、とても興味深くて、だからこそ小説家が凡庸だと自称するのは、卑下ではないのだろうなと理解する。納得とは別の話。
  • 2026年2月26日
    やさしいがつづかない
    本屋さんで表紙を一目見て思わず手に取った(イラストの可愛さが目を引いたというのもある)。 序盤から「やさしい」の定義を出し惜しみせずに進めてくれたおかげで、数々提示される具体例に、実体験を思い起こしながら読むことができ、とてもありがたかった。 性格のせいではないことを丁寧に紐解き、世の中に溢れるやさしいの形を少しくらいずつ取り上げながら、名前をつけて都度分類してくれるのも、論展開が整然としていてスッキリする。 でも何よりも良かったのは、賢帝マルクスアウレリウスや、マザーテレサなど、偉大な人が抱いていた苦悩について、そっと紹介してくれたこと。 己があまりに未熟だから、やさしくないことに悩んでいるわけではないのだな(苦悩する次元が全く異なるのは百も承知で)、と慰められる思いがした。
  • 2026年2月11日
    言葉の展望台
    言葉の展望台
    chatGPTにお薦めされて買った本、その2。 「出会ったことのない著者の本」として手に取ったはずが、実は、模試にも取り上げられて話題となった「謝罪の懐疑論」で、すでに顔見知りとなっていた方の本だったのでした。間抜けですこと。 それにしても、収録された他論の一貫した思考スタンスと、とても面白く読んだ「謝罪の懐疑論」の論旨が結びつかないだなんて……126ページを開いた途端の「あなただったのか!」という驚きたるや。 己の未熟さはさておき、収録されたエッセイ(と評論の中間のようなもの)は、どれも染み渡るように面白かった。 言語哲学が、もしかすると「自分の発話の意味を他人によって占有される経験が少ない人々」によって担われてきたのかも知れない、という仮説には、何よりも説得力がある。 なるほど、「言葉を適切に選べば気持ちは伝わる」という考え方でないと、理論は成り立ちにくいのだと思う。その一方で、コミュニケーションの不通なくして生まれえぬ言語哲学が、不通ととことん向き合わずに議論すればそれは、受け止められなかった言葉に対する暴力なのではないかとも思われ、そう思えたことが、この本と出会えた何よりの僥倖だとも感ぜられた。
  • 2026年1月25日
    ことばにできない宇宙のふしぎ
    ことばにできない宇宙のふしぎ
    同著者『翻訳できない世界のことば』を楽しく読んだので、この本もきっと、と期待したのだが、今回は、私にとってはワクワク度少し低め。 この本は、科学現象のうつくしさをうつくしいままに語ろうとする傍ら、規模の大きさを示す(あるいは正確な情報を伝える)時には数字に頼りつつ、難しい話を2ページ程度にまとめてしまうので、立ち位置が、文学と図鑑、どっちつかずな感じ。 話題は広範囲に及び、知らないこともあって面白い記事は確かにあるのだが、行ったり来たりを繰り返すので、まるで、科学にロマンを感ずる人が、とりとめもなく語る、その話を書き留めた本のよう。
  • 2026年1月19日
    夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす
    途方もなく大きい/小さい数字を前にするとワーッ!となる。天文の話、細胞の話などがその筆頭で、大好きだけど、途方もなさに呆然としてしまう。 ということで、この本は大いに、私をゾワゾワさせ、固まらせ、ワーッと興奮させ、怖がらせてくれました(読破に2ヶ月近くかかってしまったのがその証左)。 この中身を3日の集中講義で浴び続けた高校生は、どんな大人になるんだろう。 まるで陳腐な精神論みたいなタイトルに、確かな重みと意味があることが、5cm近くある厚みの本で少しずつ見えてくる仕組み。 このタイトルだと、面白さが伝わらないような気がするし、このタイトルでないと、面白さは半減するようなもどかしさがある。 場所細胞のこと、パレイドリアのこと、シグモイド関数のこと、ゴンドラ実験のこと、誰かに話したくなる知識も、とにかくたくさん。 でも、この本の本質は、脳にまつわるトリビアを脈絡なく伝えることではない。 ので、この本が楽しかったことを人に伝えるためには、この本を読んでもらうしかない。 とにかく楽しかったという熱量が、自分の中でぐるぐるして大変になる。よい本でした。
  • 2026年1月18日
    WIRED (ワイアード) VOL.58 2026年 1月号
    昨年、たまたま2025年の特集を読んで、面白かったので、今年も購入。 今年は、全体的に懸念と警鐘、失望の記事が多くなっていて、新しい技術に対する期待感は少なめだった。 だから、働く人たちの対談が逆にイキイキしていたのが面白くもあった。 メモ ・金星の硫酸雲の中に生命が存在する可能性(ホスフィンの存在が可能性を示唆する) ・開拓が生む人間らしさ ・週休3日制がはじまりそうな気配 ぜひそうなってほしいな…… ・テック企業の優秀な人材は野球選手のスターのような年収で引き抜かれている ・IQテストのスコアが年々上昇を続けていることを「フリン効果」という。反面、トーランス創造的思考テストのスコアは下降傾向 ・二酸化炭素が多すぎるので、植物の成長が早まり、人工衛星で観測する葉面積指数が、ゆるやかに増加傾向。 ・心理的安全性を構築する最良の方法は、それについて語るのをやめること ・AIのアノテーションワークはグローバルサウスの低賃金労働者によって支えられている ・人間性の証明を、プライバシー情報なしにできるか?(ゼロ知識証明)
  • 2026年1月2日
    河合隼雄 物語とたましい
    年末に、東畑さんのカウンセリングの本を読んだので、新年1冊目には必ずこの本を読もう、と、積読の本棚から取り出した1冊。 私はずっと、物事のバランスは対比によって取られていると思っていたし、白と黒の対比の間は灰色で、そこにはあわいがあるだけだと思っていたのだけれど、日本の神様の在り方は"中空均衡型”――アマテラスとスサノヲの間には「何もしない」ツクヨミが、海彦と山彦の間には「何もしない」ホスセリがいるということ、その「何もしないけどある」ものでバランスが保たれていることなど、考えたこともない視点がこの本には目白押しで、「わかっている」と思い込んでいる己の不自由さにハッとさせられた1冊だった。 ないけどあるものを、しかと見つめて言語化するというのは、相当な観察眼が必要だろう。 解明と決めつけのアンバランスを気にすることなく、生きているよな、自分は。
  • 2025年12月29日
    カウンセリングとは何か 変化するということ
    なんだか対人関係で嫌な思いをすることが多く、しんどかった時に目についた本。 基本的に、職場に配置されるカウンセラーに対して、胡散臭さを感じることが多い一方、恐ろしく観察眼のある人に見透かされてヒヤヒヤしたこともあり、いずれにせよ、彼らに対して警戒心が過剰にあるという自覚があったのだが、まさかなぜ彼らを胡散臭く感じてしまうのか、冒頭でいきなり丁寧に解きほぐしてもらえるとは思いもよらず、面白い読みはじめだった。 この本を読むことによって、私が切に求めているのは冒険としてのカウンセリングであり、他者と別れて物語を終わらすことができない己を垣間見ることととなり、少ししんどさがあった。 ひとりでなんでもできる!という自負が招く歪みのようなものを自覚しながら、依存ができないことが、自立できないことだという自覚は全くなかったことに気づかされたことも、なかなかしんどかった。 けれど、ずっと軸のずれた我慢や悩みでやり過ごしていたことがわかったのは、大きいと思う。 ありがたい本だった。
  • 2025年10月31日
    君は永遠にそいつらより若い
    はじめて読んだ、津村記久子さんの小説。 はじめは「なんだか下品な主人公だな」と自分から少し突き放すような気持ちで眺めていたが、内面に触れるたびどんどん好きになる。 人の痛みを己の痛みとして受け止めてしまう時も、自分自身が傷つけられて痛む時も、自分の汚さに打ちのめされた時も、悲劇に酔うことなく、でも目を逸らさないで(倒れはするけど)自分でヨタヨタと立ち上がるところがとても人として好ましい。 今年は、山本文緒さん含め、よい女性作家にたくさん出会えて嬉しい。
  • 2025年10月15日
    プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方
    まるで個人の才能に依拠するかのように言われがちな創作活動を、論理的な順序立てで整理し、誰でも筆を取れるようにしてくれる本。 読めば必ず上手くなる!のではなくて、読めばキーボードで何かしら打ち始めることができる。という感じ。 そんなの誰でもできるでしょ、と言われそうだけれど、この、スタートさせる手立てがある有難さは、ものを書く苦しみを味わったことのある人にとって、何よりも大切なのである。私調べです。
  • 2025年9月16日
    わたしを離さないで
    わたしを離さないで
    わたしにとって、読み終えるのに時間を要する本だっだ。 コロナ療養中のお供にはカロリーが高すぎたけれど、療養中だから色々考えながら読めたとも言えそう。不思議な本。 とりとめもない幼少期の記憶は、下手をすると冗長とも言える文量だというのに、うっすらとした不穏さを適度に嗅がせながらだれることなく続く。 こちらに解明の手応えをたいして与えぬまま、かと思えば時折、不自然さを全く帯びずに鋭く核心の話をつきつけていく、バランスが見事。 はじめは音楽つながりでしかなかった表題も、湿地帯に乗り上げた船を3人で観に行ったあたりから、あらゆる人の思いとしてガッチリ機能しはじめ、格好いいったらなかった。 まさかこんなメロウなタイトルが、切実なメッセージとして機能すると、読前誰が思うだろうか。 そういえば途中、トミーとキャシーはルースみたいな女のどこがいいのだ、とかなりイライラさせられたが、思い起こしてみるに、知ったかぶりの、大人びて見える同い年の女の子が、幼い時ほど輝かしく、歳をとるにつれ煩わしく見える、というのは、往々にしてあるな……
  • 2025年9月7日
    生命式
    生命式
    今現在、真っ当と言われる(であろう)感覚で気持ちが悪いと思われるものが美しく、美しいと言われるものが恐ろしく描かれている。反対にしただけ、と言えばそうなのだけれど、こんなに見事に濁りなくきっちり、180度ものの見方をくるっと変えてものが書けるものかしら? 頭の中に手を突っ込んでぐちゃぐちゃにされたような、ぐちゃぐちゃにされたことで冴え渡ったような、奇妙な感覚。
  • 2025年9月2日
    東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ 廃業寸前ギリギリ農家の人生を賭けた挑戦
    農業従事者から、消費者に向けて渡す、名刺代わりのような1冊。 取り組みの目的を丁寧に説明して、手段を具体的に紹介してくれるため、本人のこれまでを知らずとも、きちんとストーリーを追える。なおかつくどくない。テーマごと、見開き2ページに文量をまとめきる手腕も見事(話し足りないことはおそらく別章に分けている)。 農業の悩みについては、ちょこちょこ本や記事を読んできたけれど、この本のように数値(畑の広さや利率など)を出してくれているものは多くなく、イメージが掴みやすくてとてもよかった。 ともすれば「イメージ戦略をもって自分をプロモーションするしたたかな人」と言われそうなところも含めて、バランス感覚が鋭い印象。 雑事に惑わされず、納得のいくお米づくりができますようにと応援したくなる(のがまた、利休さんの術中に嵌っているので愉快だ)。
  • 2025年8月31日
    日々の100
    日々の100
    パーソナライズしたAIに「お前さんが好きそうだ」と勧められて買った本。ストライクのど真ん中で焦った。 松浦さんの生活に寄り添う、愛着のあるアイテムを一点一点紹介している本で、文字数も多くないのだが、物の手触りや味わいを想像する余白があり、読み応えがある。 100以上のものの紹介文を読むうち、松浦さんがまるで知り合いであるかのように感じられて愉快だ。 物との付き合い方が人となりを見せてくれるのはどうにも、たまらなく素敵だ。
  • 2025年8月28日
    ただいま装幀中
    ただいま装幀中
    すこぶる健やかで、元気の出る自賛の本(悪口では全くない)。 ちくまプリマーが「子どもへのプレゼント」というコンセプトで作られていることをふまえ、贈り物なのだから、「自分たちが作った表紙は最高だ!」という気持ちで送り出した方がよい、という心持ちはとても爽やかで、私も仕事でこうありたいなと心底思った。
  • 2025年8月28日
    体の知性を取り戻す
    身体を活用するもの(スポーツや芸術などら習い物として多く取り上げられている活動)に関する指導者の本を読むと、スキルを言語化することの重要性を説く本が、未だ多くある。一方で、例えば機械を指に嵌め、ピアニストと同じ動きを体験させることで上達を図る科学技術が生み出されるなど、身体の感覚に注目した本も、いろいろ出版されつつある。 根性と忍耐のレッスンから脱出すると、言語化派と身体感覚派が生まれるんだな…… それにしても今、バーチャルがリアルとして立ち上がりつつある中で、最も身近な「身体」の動かし方を改めて考える人たちがいる、というのは、生きることに対して誠実な感じがし、とても面白い。 ISBMを読み込んで、はじめて2014年発行の本だということに気づきびっくり。 知識武装の硬直に、もう10年も前から警鐘を鳴らしていた人がいたのだなぁ。
  • 2025年8月19日
    増補版 大人のための国語ゼミ
    理由と根拠と原因は、どう違うのか。 主張が理解できても納得できないとき、相手の理論をどう紐解いて、己の違和感をどう伝えるか。 感覚で理解し、流してしまいがちな「途中経過」の部分に、きちんと一時停止を入れて、理論で整理してくれる。 「読めば国語力がつく!」という類の、さも即戦力がつきそうなテクニックを謳うでもなく、何からはじめればよいか、基本を説明して、あとは実生活で試してみてください、と放流してくれるところに、読者、もとい言葉に対する信頼を感じる。
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