アルベルト・ジャコメッティの椅子

アルベルト・ジャコメッティの椅子
アルベルト・ジャコメッティの椅子
山口泉
芸術新聞社
2009年11月1日
1件の記録
  • …自分の小説は、まぎれもなくそうした忌まわしい物語であるのであるのだろうという気が、森眞冬にはした。たとえ外見上、どれほど美しい物語と見える場合でも。だが、実はさらにまた、一見、忌まわしく映る物語にこそ、真の美しさは秘められてもいるのではないか。世界が忌まわしいとき、最も美しい物語とは、すなわち何より忌まわしいそれなのではないか。真に忌まわしい物語こそが、真に美しいのではないか。(中略) それにしても、忌まわしい物語があるなら、同様に忌まわしい絵や彫刻、音楽もまた、あり得るのか。それとも“純粋藝術”とやら称されるものは、治外法権の彼方にあるのか。 ベートーヴェンとは、もしかしたら……忌まわしい音楽なのではないか?ジャコメッティの場合は−それでは、どうか…
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