ひたすら、著者の誠実さに心打たれる一冊。 いつも自分がその立場ならどうだろうと考えるところ。そうでありながら、当事者ではない自分は、必ずしも理解できていると思ってはいけないと自覚していること。けれども知ってしまった以上、理解しようという試みをやめないことが、どんな特性をもっている人に対しても優しい社会になるのではないかという信念が、著者ご自身の生い立ちを踏まえて書かれているところ。 誠実であるだけに、説得力があり、心に迫ります。 「みんな違って、みんなダメなところがある」 考えてみれば当然。完璧な人なんて存在しないのだから。どんな特性であれ、どんな属性であれ、当事者と、そうではないけれど対等に歩んで行こうとする人々が共存する社会において必要な心構え。 「あなたは決してひとりではない」という普遍的ともいえるテーマの本です。