Vera Wong's Unsolicited Advice for Murderers
Vera Wong's Unsolicited Advice for Murderers
Jesse Sutanto
HQ
2023年3月16日
2件の記録
gato@wonderword2026年6月24日読み終わったサンフランシスコのチャイナタウンで中国茶専門店を営むおばあちゃんが余計なおせっかいを焼きまくるコージーミステリー。邦題『ミセス・ワンのティーハウスと謎の死体』唐木田みゆき訳 ハヤカワ文庫。 こういう純粋なエンタメ小説を読むのは久しぶりだったけど、2日で読み切れた! 好みで選ぶと重めの本に寄りがちなので、こんなふうに軽い読み味のものを併読するのがいいかもしれない。 犯人当ては早い段階でメタ読みしたのが当たってしまったが、殺害方法やミスリードには中華系コミュニティの文化が利用されていてよかった。でも本書のキモは謎そのものよりも、Chinese Motherという肩書きを利用して余計なお世話をしまくり他人の事情に首をつっこみまくる主人公ヴェラの活躍を楽しむことに尽きる。 ヴェラはその圧と思い込みの強さで相当なことをやらかすが、それでもお茶と料理の美味さで次々に人を懐柔し、息子には冷たくされてても、新しく出会った若者たちからは尊敬され愛されるようになる。1/3くらいまで読んで、ああこれは60代独居女性の夢小説だなと思った(笑)(※実際の著者は全然若い)。キャラ造型が単純でけっこうご都合主義的だけど、おばあちゃんの夢小説と思い込んで読むとグッとくるところがある。序盤の寂寥感と終盤の展開を照らし合わせてちょっと泣いてしまった。 ただマーシャルの深みも何にもない悪役っぷりはちょっといただけない。こういう群像劇的なコージーミステリーだとエリー・グリフィスが好きだけど、グリフィスはキャラに事件とは直接関係ない人間的な謎をまとわせるのが上手いし、ひねくれた人が多いから会話も捻りがあって面白いけど、本書は殺人事件が起こること以外はディズニー映画のようなキャラしかでてこないので、人間関係を解きほぐすという面白味が薄い。その分ヴェラが濃いからいいじゃんってことなんだろうけど。
