烙印の名はヒト

2件の記録
- よもぎ@yomogi_162026年9月10日読み終わった感想面白かった!! 最後までたっぷり詰まった内容でとてもよかったと思う。 ヒトとはなにか、らしさとはなにか、ヒトをヒトたらしめるものとはなんなのか。 心が欲しい機械は数多けれど、みんながみんなヒトになりたいわけじゃあないよな、という。ヒトになりたがる自由があるなら、ヒトになりたくないという自由もある。そしてもちろん、ヒトという烙印を、イヤイヤながらも背負っていく自由もあるのだ。ヒトはヒトたらんとしてようやくヒトであれる、という話でもあったなあと思う。 ラブがヒトの烙印と生きていく覚悟を決めた一方で、月から飛び立ったリュカは、らしさのくびきから解き放たれてヒトには手の届かない世界に飛び立ったのも印象的。ヒトが閉ざそうとしていた知性への扉を、ヒトならぬラブだからこそ気づいて、開け放つことができた。 誰かに尊重されること、誰かを尊重することは大事なことで、必要なこと。けれど、それだけじゃない。ともすれば突き放すような祝福。蔑ろにする、という強い言葉。身内性の獲得。誰かの心に土足で踏み入って、なによりも無責任で、だけどかがやかしい「夢」の背中を押したラブがかっこいい。それは時にその人を傷つけるだろうけど、かがやきだけはいつまでも宝物になると信じられる。「信頼性」によってハックされたラブが、今度はリュカに祝福として送ったものが、宇宙の果てで永遠となりますように。 何かを大切にしたい、という気持ちだけが、本当のケアになるわけじゃない。優しく抱きしめるより、誰よりも乱暴者になって、暴力的なまでに振る舞って、真正面から向き合うこともまたケアなのだ、とケアボットのラブを見て感じた。