ピーター流らくらく学習術 (岩波ジュニア新書 293)

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句読点@books_qutoten2026年5月31日つづけてピーターフランクルさんの本を一気読み。 12ヶ国語を操り、大道芸もプロで、世界的な数学者でもあるピーターフランクルさんがどのように学習してきたかを紹介した本。 まずなによりも、「楽しい」と感じることが重要だという。本来人間というのは、子どもを観察していればわかるように、新しい物事に対して興味関心を強く持ち、それらをひとつひとつ習得していくことに喜びを感じる生き物。それを阻害するようなものを取り除いて、強制ではなく、自分から知りたいと思う気持ちを持つことが大事だという。それがなければ何も学ぶことはできない。 一番実用的だと思ったのは、ピーター流「ざるそば式記憶法」。ざるそばは、ざるの上にそばだけが残り、水分は下に落ちる。人間の記憶というものも、これと似ていて、そばのように、一つの物事を他の物事との関連性とともに、長いそばのようにしておくと、記憶のざるの上にちゃんと残ってくれる、というもの。例えば英単語でも、単語だけを覚えるようなやり方はすぐにざるを通り抜けてしまうが、一つの単語を発音、イメージ、例文、語源、似ている言葉、反対の意味の言葉、なども一緒に覚えることでうまく記憶することもできるし、相乗効果的に他の言葉もくっついて覚えることができる。これは語学だけでなく、さまざまなところで使えるだろう。たとえば人の顔と名前も、その人と会った時の天気、場所、相手がどんな服を着ていて、どういう経緯でその人と会ったか、名前の由来を聞いたり、どんな漢字を使うか、どんなあだ名があるか、なども一緒に覚えておくと忘れにくい。歴史の勉強も、哲学も、化学や物理も、数学も、全部関連させるように、教科の壁もこえて関連づけて覚えた方がいい。ひとつの物事からどれだけ長い関連性の線を延ばすことができるか。 日本の教育や政治の仕組みなどについても、杓子定規なやりかた、すべてにおいて自分ひとりでは判断できないような組織のあり方、柔軟性を失ったやり方は変えるべきだという提言もされている。この本が書かれたのは約30年前。どれだけ変わっただろうか。私服OKな企業も増えたとはいえ、まだまだ旧態依然とした組織も多いだろう。旧いのが全てだめだと言うわけではなく、悪いやり方なのに変えようとしないとか、疑問に思わず「これはそういうもんだから」という謎の理由で続けている習慣とか、そういうものもまだまだ多いんじゃないか。日本みたいに資源がない国では、一番に投資すべきは人、教育で、優秀な研究者をどんどん育てる方がいい、ということも言われているが、真逆のことをやり続けていると思う。スポーツ選手の育成には熱心な面があるのに、それを学問の分野でもやるべきだ、と。



