現人神の創作者たち(下)

現人神の創作者たち(下)
現人神の創作者たち(下)
山本七平
筑摩書房
2007年10月1日
1件の記録
  • かわ
    @kawat31
    2026年6月10日
    「出来上がってしまった」政府たる江戸幕府へ正当性付与をするために慕華思想と思想体系としての朱子学が導入された。 しかし憧れ・絶対視の対象であった明が滅びて夷狄国家たる清が成立してしまう。 絶対視の対象は中国から日本へとスライドし(その過程で中朝思想等の興味深い論も起こった)、その根拠としての天皇への絶対視が、江戸幕府崩壊・明治維新へとつながる。 出来上がった政府と、正当性付与のためのロジックは、下記。形を変えて繰り返している。 江戸幕府⇔朱子学(慕夏主義) 明治政府⇔明治憲法(慕欧主義) 戦後政府⇔戦後民主主義(慕米主義) 本書は山本七平の宗教的背景と、悲惨な戦争体験から、徹底したロジックで現人神の創作過程を検証した傑作。 徹底検証・相対化はある面重要だが、つきつめると矛盾が出るのは当然であって、国家とはそういうものではと思う程に自分は現状肯定主義だと思った。 検証を打ち止めにできるほどの風土・国民性にフィットしている対象であることが重要なのかとか、 「正当」な検証対象が、天皇・政府の二段構えなのが重要なのかとかも思った。 膨大な朱子学者たちの書籍からの引用が多く難解だったけど超面白かった。
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