唐突ながら

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- 無限の上機嫌!@joukigen2025年4月6日ウディ・アレンの自伝『唐突ながら』は、映画を見ては、ところどころ読んでいる。今夜は一九八八年作の『私の中のもうひとりの私』を見た。原題は「Another Woman」で、いまだったらそのまま『アナザー・ウーマン』になりそうだ。本人はこう語っている。 〝まあそれで、ぼくは自分がチェーホフでないことを証明したあと、イングマール・ベルイマンでもないことの証明に着手した。〟 〝ずいぶん前に、アパートメントの暖房の通気口から話し声がきこえてくるというアイデアを思いついた。最初の構想だと、そこは精神科医のオフィスでぼくが耳にするのは、ある魅力的な女性が心の奥底に秘めた思いや人生に必要なものについて語る声だった。〟 〝ぼくは主役の女性(見事に演じ切ったのは、もちろん、あの大女優ジーナ・ローランズだ)に、満足感のない冷え切った人生を送らせようと考えた。彼女は人生のあらゆることから目を背けている。もはや何もかも不快で恐ろしくて、あまりにも苦痛で向き合うことができないでいた。だが、やがて真実の声が壁の向こうから、通気口を通じてきこえてくる。〟 ジーナ・ローランズの顔がおっかない。ほとんど『ロスト・ハイウェイ』のミステリーマンみたいにひきつっている!