ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級
ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級
新井潤美
白水社
2022年1月6日
2件の記録
  • ホンモノになりたい!がホンモノであり続けるって大変なんですね…… 長男に生まれ複雑な相続を生き残ることでアッパークラスとなり、次男以下は階級が落ちても上流階級仕草は温存ないし分派し…と複雑なイギリスのアッパークラスの姿が描かれている。 面白かったのが、アッパークラスの「アマチュア志向」。学があること、何らかの分野に専門性を持っていることをダサいと忌避する傾向があったということ。オックスフォードにもアッパークラスの学生が流入したが男社会‼️って感じのフィジカル強めどんちゃん騒ぎがデフォで芸術嗜好者やナードっぽい真面目学生は池に投げ込まれていたという……アッパークラスの屋敷にレンブラントが飾ってあっても「価値はわかりませんけど」という顔をしているのが良いという。金があるから学は必要ないという態度は読む前に想定していたノブレスオブリージュとは正反対に思われた。 日本では皇族が魚や虫の研究に精を出しているが皇室の評価にさほど影響があるようには見えない(のか?あんま見たことないけど)のでイギリスほどアマチュアへのこだわりはなさそう。 イギリスのボリス・ジョンソン氏がボサボサの頭で紅茶を勧める画像と「イギリスの上流階級は庶民の反感を買わないためにわざとボサボサしている」という解説が流れてくる。あれは一部合っていて、しかし、敢えてみすぼらしい格好をしたり(大衆のように見た目には頓着しませんよアピール)、固定資産の維持で本当に困窮している場合もあったりという解説もあり、日本人には想像し難いイギリスのアッパークラスに特有の生態があるんだろうなと思った。
  • 喜多倉
    喜多倉
    @kitakura473
    2025年4月5日
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