日暮らし 上 (講談社文庫 み 42-6)

日暮らし 上 (講談社文庫 み 42-6)
日暮らし 上 (講談社文庫 み 42-6)
宮部みゆき
講談社
2008年11月14日
1件の記録
  • 霧
    @yoruto
    2026年6月23日
    あらすじ 浅草の似顔絵扇子絵師が殺された。しかも素人とは思えない鮮やかな手口で。「探索事は井筒様のお役目でしょう」-。岡っ引きの政五郎の手下、おでこの悩み、植木職人佐吉夫婦の心、煮売屋のお徳の商売敵。本所深川のぼんくら同心・平四郎と超美形の甥っ子・弓之助が動き出す。著者渾身の時代ミステリー。 本文p120より、抜粋。 「人は欲深いものだと、叔父上はよく言います」と、弓之助は言った。「わたくしが、生き物と別れるの嫌だ、だから飼わないというのも欲だと」 「欲……?」 「はい。一度自分が親しく思ったものが、どんな理由であれ離れてゆく。それが我慢できないというのも、立派な欲だと。それでも、その欲がなければ人は立ちゆかない。そういう欲はあっていいのだ。だから、別れるのが嫌だから生き物と親しまないというのは、賢いことでないーー」  弓之助は頭を動かし、空を仰いだ。 「そして、いつか別れるのではないかと、別れる前から怖れ怯えて暮らすのも、愚かなことだと教わりました。それは別れが怖いのではなく、自分が手にしたものを手放したくないという欲に、ただただ振り回されているだけのことなのだから」
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