ひらめきはカオスから生まれる

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- 一世@seedo812025年3月29日読み終わった読了。変革を起こそうとするならば、何かもを管理するよりも「意図的なカオス」を組み込むべきという話。「余白」「異分子」「セレンディピティ」という3つがそのキーワードとして挙げられ、それぞれの細かい解説が展開されるという構成になっています。 アイディア創発において「カオスの重要性」を語る本は以前にも幾つか読んだことがあります。けれども、この本がユニークなのは「組織論」という観点で書かれている点です(しかも事例として出てくるのは軍隊組織にどうやって「カオスの余白」を組み込むのかという実験です)。 つまりはカオスによって予想外のことが起きると、それは意図していなかった人物の採用を生み、そこから思いも寄らない発想や行動が生まれるという流れなのでしょう。いわゆる『ビジョナリー・カンパニー』シリーズで書かれるような「適切な人だけバスに乗せる」とは逆のアプローチと言えます。 著者本人の事例以外はわりと古く、しかもどこかで聞いたことがある有名なものばかりなので、そこはマイナスポイントかもしれません。とは言え、従来通り型の「組織論の本」に飽きている方には新鮮な視点をもらえる一冊と言えるでしょう。 あぁ・・でも、この本にある「日本の学生はアメリカよりも時間の余白があるから有能」って話は大きく間違っていると思います(苦笑) ● ひらめきはカオスから生まれる(オリ・ブラフマン/ジューダ・ボラック、2025年、ディスカヴァー・トゥエンティワン)