タッチ

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ダニエル・キイス
早川書房
2005年12月1日
1件の記録
  • むゆ
    むゆ
    @my_record
    2026年7月11日
    本書を通して、無知と偏見による残酷さを体感した。 主人公である夫婦の身に起こったことの詳細は当然本人達しか知らない。しかし、彼らに巻き込まれた周囲の人々は、自分達は被害者だという認識で、メディアや噂を鵜呑みにして主人公達を攻撃し続けた。「無知であることは罪」という言葉が、まさに内容に表れていると感じた。そしてこのような本書の内容は、現代で物議を醸しているようなSNSでのトラブルと重ねる部分があった。(SNSは匿名性がある分更に攻撃性やその恐ろしさを増しているとも思う。) しかし、「主人公達が攻撃されて可哀想」という内容で描かれているわけではない。主人公達もまた無知や偏見によって自分の価値観を押し付けることで、互いや他者を傷つけている姿が見られる。例えば、夫の視点では妻が悪く見える一方で、妻の視点では夫がそう見えるように描かれているところがある。 もし自分が何かしらの被害を受けて、その原因だと噂される人物が近くにいたとしたらどう思うだろうかと考えた。その人物がどれだけ不遇であっても、私は恨んでしまうかもしれない。 内容を通して、「誰もが被害者で加害者である」という作中の文言がより深く刺さった。 ラストシーンでは、ぎくしゃくし続けていた主人公達が相手の姿を受け止めて、理解しようと歩み寄って心を通わせる様子が描かれている。相手の背景の全てを知って理解することは不可能だが、 少なくとも努力して歩み寄ることは可能であり、そのような姿勢を大事にしたいと思った。相手の立場になって考えることの大切をよく説かれるが、それを体感した作品だった。 追記:後書きをもってしても、文章の表現や内容に含まれる作者の意図を理解しきれない部分にモヤモヤしたので、またよく考えてみたい。
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