民主党政権失敗の検証

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- 書痴楽@shochiraku2025年4月3日読み終わった現行憲法下で初となる本格的政権交代を果たしながらも、3年3ヶ月という短命に終わった民主党政権。その失敗要因を当事者である民主党議員からのヒアリング・アンケート調査を交えつつ、多方面にわたり分析・検証したのが本書である。 世間では民主党政権の失敗を実現不可能なマニフェストに固執した結果だと単純化する風潮があるが、本書ではそうした見方を一定程度肯定しつも、その最大要因は党のガバナンス・マネジメント不全、特にマニフェストに記載されていない政策を総理案件として推し進めようとしたことによる党内対立・支持率低迷だと指摘している。 その一方、民主党政権が成し遂げた子ども手当の導入や公立高校学費無償化といった、自民党政権再登板後も継続または拡充された政策に先鞭をつけたことは肯定的に評価している。 政治資金問題で揺れ続ける自民党政権にあって、民主党の実質的な後継政党である立憲民主党は先の失敗をどう克服して政権与党として返り咲くのか、それとも他党に野党第一党の座を譲り渡してしまうのか。今夏に予定される参院選から目が離せない。