高天原なリアル

高天原なリアル
高天原なリアル
霜越かほる
集英社
2002年7月25日
1件の記録
  • 夕灯
    @yuuhi
    2026年7月15日
    読了 26.07.15 この本はすごい。 発刊された当時から、この作品はとあるゲーム会社が進めた美少女キャラのアイドル化計画をモチーフに作られたことが明確に見えていた。 ただのゲームヒロインだったキャラクターが人気を得て、メディアに露出するようになり、やがて若者人気を当てこんだ陰謀に巻き込まれていく。 その過程として書き込まれた当時のオーバーテクノロジー表現は現代ではたやすく実現された技術となり、この物語そのものは現代でも通ずる陰謀の物語に仕立て上げられた。 時代が変わって古くなった話や歌詞は無数にあるが、時代の方が沿ってくる話は珍しい。 要は作家の先見性、夢見る性能の高さによって未来の技術が描かれた作品である。 誰もが「これぐらい想像がつくだろう」と思う技術も、生まれて当たり前になった今だから言えるもので、技術が生まれる前から作品として書き込むほど本気に扱う人は希少だ。 この作家のこの才能が、私の好きなバーチャルの分野において発揮されたことは大層幸運なことだ。 この本を読み返すたび、新鮮な気持ちになれる。 時代がこの本に追いついたこれからは、少しずつ読後感も古びていってしまうのだろうけれど、今度はバーチャルへのノスタルジーとして新たな思い出を持たせてくれるのだろうと期待している。
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