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夕灯
@yuuhi
児童小説・児童文学、少女小説、幻想小説、ノベライズもの、百合、ラノベ(ちょっと昔の)。 好きな本をよく読み返す。 since 26.05.21
  • 2026年9月26日
    フォーチュン・クエスト 4 (角川スニーカー文庫 606-5)
    読了 26.09.26 当方一時は健康上の問題から本を読めない人生になり、ついに舞い戻ってから、小さい頃に本を通して体験した冒険に改めて身を置くことを強く願っていました。 この本は、小さい頃から冒険に出たい時に選んでいた本。 忘れ去られた古城の探索のシチュエーションが大好きでした。荘厳なイメージと寂しさの中の冒険は、RPG大好き女児として憧れまくったものです。 あの頃よりずいぶん大人になってしまいました。 子供の頃に感じたような本の冒険との一体感は得られるだろうかとそわそわしながらの読書でしたが、本の中の湿った空気や暗がりの視界、苔むしたような香りを変わらず想像できて、たまらなく嬉しくなりました。 ハプニングが起きるたびに感じるドキドキ、恐怖から絶望にうちひしがれる主人公・パステルに寄り添うような心細い気持ち、全部が子供の頃に感じていたものと同じです。 この本はホラーなテーマなのに、道中の盛り上がりから締めくくりが本当に爽やかで、フォーチュンらしくてとても楽しくて大好きです。 また冒険したいね!
  • 2026年9月26日
    フォーチュン・クエスト: 迷いの森のリタ
    自費出版本なので紙本登録ができず、kindle版に失礼します。 読了はしました。
  • 2026年9月7日
    チェリーブラッサム
    読了 26.09.07 実際に読んだのはコバルト文庫から発刊された『ラブリーをつかまえろ』だが、書誌データを取れないようなので、改訂後新版のこちらで。 ラノベのイラスト挿画がある方が絶対かわいいけど、予算の都合もレーベルに求められてるイメージもあるのだろうし、残念なものだ。
  • 2026年8月19日
    恋人たちの森
    読了 26.08.31 じっくりと文字を追いたい時は森茉莉を読む。 苛烈な想いの重なりはやはり悲劇を生むもので、よくよく読み進めてみると恋愛の美しさよりもその執着がこれらの話の要とされている。 豊かな暮らしや軽妙なお洒落の雰囲気をまとった街並みの描写の中にじわじわと侵食した愛の狂気が、やがて作品を支配していく。 気づけばそうなっている、薔薇色を差した世界がいつのまにか固唾を呑んで見守る物語にすり替わり、読者はそれをすっかり受け入れて読んでいる。 そんな読書における静かなホラーが読者の内にだけひっそり生まれる読書体験は、どうにも独特なものだと感じられてならない。 綺麗だったのに、薔薇色だったのに、それらが失われていくことを「変わった」とは思えないような、妙な説得力があるのだ。 なんて自然で軽やかな本なのだろう、こんなにどろどろしてるのに。 昔はうまく読めてなかっただけで今読んでみると猛烈に商業BLだなこれ…。
  • 2026年8月15日
    ココナッツ (角川文庫 や 28-8)
    読了26.08.14 本当は再編集される前にコバルト文庫から出ていた『アイドルをねらえ!』を読んだんだけど。 バーコードを読んでくれないしISBNもヒットしない状態だったので、泣く泣くこちらで登録する。 イラスト表紙で、挿絵があって、幼いながらも可愛い本だから好きだったんだけど、レーベル移動のためなのかすっかり様相の変わった再刊行となっている。 作者がラノベや少女小説、ジュニア小説などの分野に対して思うところがあったのではとも思える状態だが、今となってはわからないところ。 『ココナッツ』版では、私が小さい頃に読んでお友達になった〝みんのちゃん〟が、みんのちゃんとは呼ばれなくなっている。 主人公であるみんのちゃんは、登場人物の中では一番年少のキャラクターだ。 だけど幼いわけではない。うだつの上がんない父親に生意気を言ったり、仲のいいお姉ちゃんに反抗してみたり、恋をしたり、勘に任せて冒険したりするけれど、あまり人に迷惑をかけることのない素敵な女の子だ。ろくでもないこともあるんだけれど、家族思いな面や周りの人に向ける思いやりも持っていて、読んだ当時の私に小さな憧れを抱かせてくれた。 ご町内お騒がせミステリーシリーズはたったの2冊、その2冊も冒頭に書いたようにタイトルを変えられリライトされ、なくされてしまったけれど、私は今もみんのちゃんが好きで、新たなアクシデントに立ち向かうみんのちゃんに会いたいなと思っている。
  • 2026年8月11日
    フォーチュン・クエスト (バイト編1) 夕日が二つに見えた夜 (角川mini文庫 (12))
    読了 26.08.11 ミニ文庫で展開されたこの物語、短編ながらも事件と家族の問題の二つをテーマに据えており、脅威のボリューム感・満足感を備えている。 さほど難しいことはないけれど、読者が何かと気になって話を追いたくなるつくりはさすがであるし、読んでとても楽しかった。 メタな言い方をしてしまうと不穏と拍子抜けのギャップがフォーチュンの魅力だと思う。 ヒヨッコパーティに憧れて読む我々をいつも適度に安心させてくれて、親近感を維持させてくれる。 こんなにたのしいファンタジーシリーズは他にはなかなかないだろう。 『迷いの森のリタ』を読む前に、リタがちょっとでも出てくる話を読んでおこうと開いたこのバイト編。 この本にあるリタが赤白チェックのエプロンをつけているという記述が『迷リタ』表紙にも忘れられず受け継がれているのを見て、ずっとフォーチュン世界は地続きなんだと思えて嬉しかった!
  • 2026年7月26日
    ひと夏の経験値
    ひと夏の経験値
    読了 26.07.30 夏休み・ボーイミーツガール・TRPG! 冒険まみれの異色の青春ラノベ、毎年夏休み時期に読むのが楽しみで読んでます。 電車で読む文庫本を鞄に入れて登校し、本屋に寄って帰る、スマホのない牧歌的な時代背景が懐かしい。    + オタクのぼくらの元に天使が舞い降りた、この話にはそんな表現がぴったりだと思う。 主人公たちはオタクで、自分達が世間的にはカッコ悪いことをわかっているようでいてわかっていなくて、とにかく浪漫に賭けている。 そんな彼らだって、現実に夢を見たりしないわけじゃない。 異世界に行って活躍したり、途方もないチャンスに恵まれてヒーローになったり、そんな大それたことじゃなくっていい。 TRPGの冒険という、日常の範疇にある非日常をせいぜい楽しんでいるただのぼくらのまま、少しぐらい夢のゆとりがあってもいいじゃないかと。 オタクは日頃ずっと目を背けている、きらきらした理想をひそかに持っている。 ちょっと女の子と縁ができるくらい、その女の子がぼくらの好きなものに興味を示してくれるぐらい、そしてぼくらとの思い出に思い入れを持ってくれるぐらい、それっくらいのささやかな夢なら叶ってくれてもいいじゃないか。 (だが、普通ならそんなもん叶うことはない)。 そういうオタクの夢物語に斜に構えながらも、全力で叩きつけてくるのがこの本だ。 オタクの情熱を貫くのは世間的にはかっこ悪いことだ。だが、当のオタクたちにしてみればこれがとてもかっこよくて憧れること、なのに世間ではダサいんだということも本人たちは普通にわかっていたりする。 難しいのだ。 だから誰かが歩み寄ってはくれないかなって、いつもこっそり願っている。まかり間違って、自分の道が正しいことだということにならないかなって。 全部ぜーんぶわかってる。 この本は、そういう私たちのための本なのです。
  • 2026年7月15日
    高天原なリアル
    高天原なリアル
    読了 26.07.15 この本はすごい。 発刊された当時から、この作品はとあるゲーム会社が進めた美少女キャラのアイドル化計画をモチーフに作られたことが明確に見えていた。 ただのゲームヒロインだったキャラクターが人気を得て、メディアに露出するようになり、やがて若者人気を当てこんだ陰謀に巻き込まれていく。 その過程として書き込まれた当時のオーバーテクノロジー表現は現代ではたやすく実現された技術となり、この物語そのものは現代でも通ずる陰謀の物語に仕立て上げられた。 時代が変わって古くなった話や歌詞は無数にあるが、時代の方が沿ってくる話は珍しい。 要は作家の先見性、夢見る性能の高さによって未来の技術が描かれた作品である。 誰もが「これぐらい想像がつくだろう」と思う技術も、生まれて当たり前になった今だから言えるもので、技術が生まれる前から作品として書き込むほど本気に扱う人は希少だ。 この作家のこの才能が、私の好きなバーチャルの分野において発揮されたことは大層幸運なことだ。 この本を読み返すたび、新鮮な気持ちになれる。 時代がこの本に追いついたこれからは、少しずつ読後感も古びていってしまうのだろうけれど、今度はバーチャルへのノスタルジーとして新たな思い出を持たせてくれるのだろうと期待している。
  • 2026年7月7日
    ファイアーエムブレム外伝 下 (双葉社ファンタジーノベルシリーズ)
    読了 26.07.11 神の名の下に人類の兄弟姉妹は分たれ、父と子は討ち合う宿命を背負わされる。 フィクション、ファンタジーといった言葉を建前として別離の悲哀を描く話は少なくないけれど、その一つ一つは創作とはいえやはり重たいものだ。 たとえ血縁になくとも、己が本心に気づくことなく誰かを犠牲にしてしまったり、誰かに尽くそうと願う忠義は反転せざるを得なくなり……と、この物語に書かれる絆は何もかもが悲しく、叶わない。 中には結ばれる絆もあるが、その根底にはやはり神と人との利害の一致がある。人が運良く結び繋がれた、「ついで」のようにもたらされる希望の篤さに心を打たれる。 神の名の下に一つの目的を目指す人々が同じ道を歩んでゆくだけ、この話の人類が世界に与えられた権利のなんて小さなことなのかと、本の前に涙がにじむ場面も多かった。 神を信じ、あるいは人の乱心を止めるため、結局は神の領域を前提として二手に分かれていた物語の終わりは、事前に知らされていた以上の壮大な裏切りに遭わされる。 これほどまでに全てをひっくり返すことができるのかと、もはや感心にも至った次第である(このコメントは嫌味ではなく、物語への心酔によるものである たかがゲームのシナリオだが、そこに現実と変わらぬ大切なものを見つけて涙するのは決して馬鹿馬鹿しいことではないと思う。 たかがゲームだからこそ、私はそこに本気で描かれていく物語が好きである。
  • 2026年6月30日
    ファイアーエムブレム外伝 上 (双葉社ファンタジーノベルシリーズ)
    読了 26.07.06 自由自在、縦横無尽に設定を裏打ちしまくって鍛えられた物語を前に、原作はこんな話ではなかったと憤慨するファンもいるかもしれない。 数々のキャラを犠牲にしながらも辻褄をがっちり合わせた展開にはさまざまなドラマが付け加えられており、そのかっこよさ、壮大さ、秘めたる心の真実の諸々には感銘を受ける。 このノベライズ版オリジナルの設定の中には実にキャラの死をもって紡がれた衝撃の設定も生まれており、これが読者に強く余韻を持たせる。 手がけるスタッフが散々に改変を加えまくることでお馴染みのリメイク版ですら、このノベライズにあるほどの改変は行われなかった。好き嫌いの好みは分かれるだろうし、かつての当方もひどく拒絶したことを覚えている。 だが、この小説作品の持つ確かな力と添えられた浪漫を読み取ることができるようになった今では、こうも深く考え込まれ、原作に酔いしれ、ドラマを書き込んでくれた作者に感謝せざるを得ない。
  • 2026年6月27日
    夜啼く鳥は夢を見た
    読了 26.06.29 初期の長野まゆみ作品に真相はない。 それを受け入れられる時とそうでない時があり、そのケースの違いは主に読み手である私自身の体調にある。 美しい時間を描くために作られた作品を読み、同じ時間の共有を願う、初期長野まゆみ作品はそういうことのために読むのだと思う。 それらを忘れて、「あの話はどんな話だったか」などと長野まゆみ本を持ち出してくる人間の欲しているものとは、おそらくノスタルジアである。 この本もまた、ノスタルジアを刺激する情景を持っている。謎は謎のままであり、登場人物たちの終端も匂わせられるだけ、本だけが終わっていくような話である。 ノスタルジアを求める人間がこんな風に置いて行かれるなら、それは夏の明るい夕暮れか一人きりの夜でなくては耐えられない。 見れば、この話もそういう夏の話だ。 逆算して、この本はそもそも夏の夕暮れを目指して読む本だったに違いない。 この本は、話の流れがとか登場人物の顛末がとか真相がとか言ってないで、ただ部屋に灯すフレグランスのように読むべき本に違いないのだ。 このコメントを読んだ皆さん、早く私をミュートしておいてください。
  • 2026年6月26日
    小説 ファイナルファンタジーI・II・III Memory of Heroes
    読了 26.06.26 原作ゲームをやり終えたことにより、やっとこの本も読み終えた。1、2のシナリオ端折り具合には閉口したが、3は満足度の高いまとめ方がなされている。 この本の登場により、3の公式正史がDS版とされたのやもしれず、その点には違和感を感じなくもない。しかし、初の3リメイクだった割にあまり目立たないDS版が脚光を浴びたこと、こんなにそつなく書いてもらえたことは非常に嬉しく思う。 FFファンとしてはなかなか複雑な一冊である。
  • 2026年6月16日
    ムーミンパパの思い出 (新装版)
    ムーミンパパの思い出 (新装版)
    読了 26.06.19 ムーミンシリーズは好きだけど、読みつけていないとどうしても読むのが遅くなる。 独特の空気には既視感があり、どこで見たものかとようやく思い出してみれば『不思議の国のアリス』のようだということではなかろうか。 アリスも好きだが、読みづらい。 本の最後に登場するムーミンママは、いつものムーミンママとは違って少女の様子で現れる。 それが本当に短い描写で可憐な女の子なんだとわからせてくるのがムーミンシリーズの凄みだと思う。 こうしてムーミンママの若かりし頃に少女時代があったことを読み、今のムーミンママが暖かく立派なママであるところにそれまでの暮らしの穏やかさが見えている。 今のムーミンたちの暮らしを尊ぶまでがこの本に描かれた物語だと、私は思う。
  • 2026年6月15日
    トラブル・てりぶる・ハッカーズ
    読了 26.06.16 普段は冴えない学生だが、ネットの世界ではトップクラスの使い手で…という、現代の流行に近い『実は最強主人公のゲームダイブ系ラノベ』。 最強主人公のはしりは1989年のスレイヤーズ、ゲームダイブ系のはしりは1995年のクリス・クロス(1988年のノーライフキングも参照可能)だと当方は考えているのですが、トラブルてりぶるハッカーズは1997年に最強×ゲームダイブ系を実行している。 この本のダイブは厳密にはネットワークの仮想空間でありゲーム空間ではないのだが、読めばゲームダイブの素地に気づける範疇にある。 転生なろう系の前身となるこの作風を導き出した筆者の発想は絶対的な評価に値する。 小説としては主人公たちが全能すぎる点、敵サイドが無能に書かれすぎてご都合すぎる点、キャラクターの情緒をあまりに簡単に進行させる点があり、あまり優れているとは感じられない。 しかし、情報の整理ができているのか文章が小気味よく、サクサク読めて気持ちがいい。 キャラの感情はマンガのように大袈裟なセリフで済まされていってしまうものの、人に心を開けなかった主人公が少しずつやわらいでいく展開はとても好き。 作者はこう考えていないんじゃないかと思うけれど、主人公の少年は人を受け入れるようになったのではなく、仲間たちのいる空間を好ましく感じられたことを考え込んでいる段階にあるのだと思える。ここからまた悩みながら向き合うことが増えていくのだと思うと、愛おしい。彼の考えてるのと違うことが次々起こったりするぞってわくわくする。 この作品はおもしろいです。 ただ、詰め込んだ理想の全部が実に中途半端に過ごされちゃってとてももったいない仕上がりになってると思う。デビュー作だそうなので仕方ないけど、もったいない。 もっと事件を膨らませて解決すべきイベントを増やしたり、キャラの感情の動きとその展開にも行数を割いたリメイク作を読めたらと夢見てしまう。
  • 2026年6月13日
    チョコレート戦争
    読了 26.06.13 名誉のために戦う子どもたちのシナリオの背景にさまざまなお菓子の名が飛び交う、なんとも言えないミスマッチさ加減。 あこがれの、美しい、甘くてふわふわ、そんなイメージを思い浮かべるたびに話の外でほっとする。 登場するお菓子の麗しさのあまり、この話では悪者となるお菓子屋さんに行ってみたい、ここのお菓子を食べてみたいと思わせられてしまう。お菓子屋さんと戦う羽目になってしまった子どもたちのお菓子への憧憬が自分にも重ねられるものだと気づくと、やがて彼らの生活に親近感を見出せる。 お菓子に会うためにまた読みたくなると思う。
  • 2026年6月10日
    終わらない夏休み: セーラー服で一晩中
    読了 26.06.11 開始直後のエピソードから、もう今にも消えてしまいそうな少女の雰囲気にあふれている。物語のいく先よりも何よりも、少女の眼差しに耽溺することを望みたくなるのはどういうことだろう。 ずっと変わらないようでいながらも、少しずつ心を震わせる砂緒さんは危うく、しかしその周囲には優しさが潜んでいる。 物語を騒がせるかと思われた人物たちが、やがては皆二人のために思いを寄せてくれるのが温かくて涙が出た。 私はまだ、こうした物語を全部綺麗事だと冷笑してしまう精神性から逃れられていない。そのくせ、こういうものに憧れて欲してやまなくて、なのに嫉妬の気持ちも湧いては来ない。ただ、「綺麗事だ、現実にはそぐわない」と感じて疑うこともできず、自分が「これはきれいだ」と思った感性を自分で否定しては苦しむ日々を続けている。昔はそうじゃなかったのに。 きれいなものをがむしゃらに信じてやまない純粋さを取り戻したい。この物語のように優しくありたいと願い、こうした物語を求めている。
  • 2026年6月9日
    ぼくらのメモリアル 走れ、安永
    読了 26.06.10 ぼくらシリーズの本、あまり読んだことがないながらもわかりつつ読む。 もう当たり前のようにとんでもない悪ガキたち! 周囲を取り巻く出来事の古めかしさも味わい深く、悪ガキたちの行いが次々に成功を収めていく様子もなんとなくマッチして見える。 突拍子もないやり口で大人をやりこめて痛快に過ごす日常(非日常だ)にあこがれてきた身、大人になった今では「あり得ないだろう」と思いながらも、自身のあこがれの重なる話を懐かしく感じた。 悪ガキたちのユニークに微笑みたくなりながらも、令和のコンプライアンス事情に染められた自分が「よくない」と戒めてくるのが邪魔である。 未来の心配もなくとんでもないことばっかり、企んでは思い通りのフィクションな昭和キッズのノリを、今もうらやましく思う。 これは平成の本なんだけど、たぶん書かれてる子どもたちのイメージは昭和を見て培われたものなので、「昭和」でよいかと思います。
  • 2026年6月6日
    きみを守るためにぼくは夢をみる(1)
    読了 26.06.07 ずっと「大人になりたくない」と思う暇さえ与えられず小さな社会に翻弄される少女たちのイニシエーションを描いていた白倉由美先生が、時間を越えて大人になれなかった少年の話を書いている。 それだけでこのシリーズには価値があるんだけど、残念ながら未完。 未完だとわかっていながらも、第一巻の結末は話の一旦の区切りがついていたのかを思い出したく、再読に挑んだ。 「次巻に続く」状態であった。 区切りがなければ続刊はスルーだと思っていたのに、いまなぜか二巻を開いてしまっている吸引力。 この作品は文体のやわらかな読みやすさが自分にあっている。なんとか完結させてほしい……。
  • 2026年6月4日
    小説ふしぎの海のナディア 下
    読了 26.06.06 ちょうど5月の終わり、自分がこの本を選んだのは偶然だった。 買ってある本は他にもたくさん、読み返したい本だっていろいろあるのに、私はよりによって『ナディア』に手をつけた。 私はロマンチスト、かつ自分の信じることだけを現実とした上での強固かつ間違った現実主義者である。 だから、『ナディア』を最後まで読んだ時に、5月の終わりの日に自分が『ナディア』を選んだ理由を理解した。 単なる偶然に過ぎないが、今もそういうことを信じて生きていきたいのだ。 こんなことをこうしていかにもさわやかに語らせる力が、この物語の終焉にはある。 想いと愛一辺倒で暮らしていけたらと願う気持ちを肯定してくれるのが『ナディア』だった。
  • 2026年6月1日
    小説ふしぎの海のナディア 中
    読了 26.06.04 『ふしぎの海のナディア』は、アニメのうちは評価の険しくなりがちな作品であった。物語の背景に横たわるシナリオを見ていられれば興味深く楽しめる話なのに、我々は主役たるナディアをカメラの正面に置いた視点からでないとこのシナリオを見せてはもらえない。アニメという媒体では、長期にこの状況に置かれる羽目になる。 この作品を評価する人は、おそらくみんなナディアが好きで、同時にナディアをウザイと思っている。 戦いにひたすら反発・激昂する少女の役どころはこのシナリオに必要なところではあるのだが、その反発が根拠のない上にあまりに激しく、見ていて非常に面倒な気持ちにさせられるのである。 物語が終盤に向かう頃には、ナディアも運命に翻弄され、ファンたちもまた固唾をのんで物語を見守ることになるのだが……待つだけ、見ているだけしかできなかったナディアの物語は、『ナディア』を楽しむ我々の姿にも重なってくる。 物語の中で激昂することもできない我々は、やがて変わっていくナディアよりもずっと無力で、ただただナディアの無事を祈ることしかできない。 そうして好きになってしまう。 なんと言ってもナディアはかわいいので。
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