ぼんくら(上)

4件の記録
- ユメ@yumeticmode2025年2月2日読み終わった感想@ 自宅『桜ほうさら』の富勘長屋が住人たちの義理と人情に光を当てて描かれているとすれば、本書の鉄瓶長屋ではその日暮らしの厳しさが描かれているという印象を受けた。自身が賭博にのめりこむあまり娘のお律が岡場所に連れていかれそうになった段で笑い出す権吉の姿には、背筋が寒くなったが、お律が家を飛び出したのにはちょっぴり胸がすいた。鉄瓶長屋では次々に事件が起こり、同心の平四郎の調べによって、どうやら全てが複雑に関わり合っているようだということが見えてくる。宮部さんなら驚きの展開を用意してくれているだろうと期待して、下巻へ。