流跡

流跡
流跡
朝吹真理子
新潮社
2014年5月28日
4件の記録
  • 林檎
    林檎
    @godalin49
    2025年8月4日
  • okabe
    okabe
    @m_okabe
    2025年3月14日
    記憶の曖昧さは時間の連続性、死の曖昧さは生の連続性。幻想的で妖しい、夢十夜を読んだ時の感覚に似ていた。
  • め
    @memimumemo
    2025年3月6日
  • 去年書評を書いたのを思い出した そこから一部抜粋 幼いころ、雨の日の車内からリアガラスを眺めるのが好きだった。水滴がどんどん付着して、まだら模様がガラスいっぱいに広がって、もう水滴がついているところにまた雨が降って、水滴が次第に大きくなって、周りの水滴を飲み込んで、そのたび質量を増して、ついに耐えきれなくなった水滴が一筋の流れとなってリアガラスを滑っていく。ただまっすぐ下へ滑っていくわけではない。流れていくあいだにほかの水滴を吸収し、そこで吸収した水滴の、流れに対する位置や向き、大きさによって、流れは毎回かたちを変えた。リアガラス一面に張り付いた水滴のドット柄のなかで、その流れた跡だけがまっさらな筋として残っている。しばらくすればその跡にも水滴がついて、今度は別のところから、ある水滴が滑り落ち、またまっさらな跡を残す。その一筋の輪郭を、なんと呼べばいいだろう。その流跡に、なんと言葉を与えれば。作者・朝吹真理子はそのように書いたのだ。
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