流跡
14件の記録
utautomo@timeescape2026年5月11日買った読み終わった歴代のドゥマゴ文学賞を調べていたら、堀江敏幸さんがこの作品を選ばれていたので読んだ。 朝吹真理子さんの作品は初めて読みました。 この『流跡』はとても不思議なお話で 何がなんだか、どういうことなのか、 と思いながら読みすすめる。 主人公は誰なのかいつの時代なのかもわからず、 だけれども流れるように物語はすすんでいく。 まるで異世界のような、 不思議な情景が脳内に繰り広げられる。 四方田犬彦氏の解説を読み、なるほどなるほどと思うものの、よくわからないこともたくさんある。 他の作品も読んでみたいなと思う。









ナツメグ@natsumegu01202024年9月1日読み終わったかつて読んだ去年書評を書いたのを思い出した そこから一部抜粋 幼いころ、雨の日の車内からリアガラスを眺めるのが好きだった。水滴がどんどん付着して、まだら模様がガラスいっぱいに広がって、もう水滴がついているところにまた雨が降って、水滴が次第に大きくなって、周りの水滴を飲み込んで、そのたび質量を増して、ついに耐えきれなくなった水滴が一筋の流れとなってリアガラスを滑っていく。ただまっすぐ下へ滑っていくわけではない。流れていくあいだにほかの水滴を吸収し、そこで吸収した水滴の、流れに対する位置や向き、大きさによって、流れは毎回かたちを変えた。リアガラス一面に張り付いた水滴のドット柄のなかで、その流れた跡だけがまっさらな筋として残っている。しばらくすればその跡にも水滴がついて、今度は別のところから、ある水滴が滑り落ち、またまっさらな跡を残す。その一筋の輪郭を、なんと呼べばいいだろう。その流跡に、なんと言葉を与えれば。作者・朝吹真理子はそのように書いたのだ。
















