夏の滴
2件の記録
きらた@kirata2026年8月4日読み終わった表紙と帯から、少年たち(高校生)による、ひと夏の和風ファンタジー的な作品を予想して手に取ったのですが、ちょっと予想の斜め上? 神道的世界観を背景に描かれる青春物語って感じでした 因みに同タイトルのホラー小説もあるらしいのですが、作者が違いますのでお間違いなきように ──昔から不思議な夢を見ていた── 17歳を迎えた天堂尊は母親から双子の兄の存在を明かされる 5歳の誕生日、池で遊んでいた2人 兄は神隠しに遭い、弟は記憶を失くした 夢の中で並走する“誰か”は、もしかして兄なのか? そんな折、伊勢に暮らす伯母が取材旅行で1ヶ月間家を留守にするとの話が持ち上がる 丁度夏休み期間なので、尊に家の留守を預かってもらえないかとの申し出を了承し、尊は友人の陽太と共に伊勢へ向かう そして尊は伊勢神宮の神々しさに触れるうちに忘れていた記憶や兄の存在を感じ始め── そこかしこにスピリチュアルな雰囲気が漂うと言うか、満ちていると言うか‥淡々と厳かに流されて行く様な話 常時主人公(尊)が受け身に見えるのは、多分神の意志(?)を受け取るってテーマ(なのかなぁ?)だからなのでしょうか? しかし、何ていうか、うーん 伯母さんが小説家で、《神様小説》を書いているとの設定なのですが、その《神様小説》ってのはこの話みたいなモノなのだろうな、と思いました なので、神の気配を感じ、神の意志を受け取り、日々真っ直ぐに神と共に健やかな精神で生きる 話として、こう言う穏やかさになるのは理解出来ると言うか、納得せざるを得ないのだろうとは思う、のだけど きれいなところだけ掬った、と言えば嫌な言い方になってしまいますが、人の中にある悪感情が一切感じられない描写に違和感を覚えながら読んだ作品でした 神様の気配を感じたいのであれば、おすすめなのかなぁ? 清浄な気配は感じられる作品ですが、“高校生のひと夏の話”としての生き生き感はなく、達観したような静けさばかりが漂う話でした
