闇の中の男

闇の中の男
闇の中の男
ポール・オースター
新潮社
2014年5月30日
3件の記録
  • こんた
    @konta
    2025年4月1日
  • こんた
    @konta
    2025年4月1日
  • たま子
    たま子
    @tama_co_co
    2025年1月13日
    眠れぬ夜、ベッドに横たわり、物語から物語へそして過去の記憶へと行き来する脳内。夜の部屋にひとりでいるあの時間は、誰にも共有することのできない秘密めいた優しさと孤独に満ちている。 ⁡ 後半は、闇の中を息継ぎなしに泳ぐように読み進める。波打つ水音の他はなにも聞こえない、静かで孤独な水の中。はぁ……くるしい。心地よい。現実と物語の境目はどこだ、境目なんてものはないのかもしれないけれど。内と外の関係が気になる。本が現実に染み出してくるような、いや現実の方が本へこぼれていくような心地よい曖昧さの中にどっぷり浸かる。 ⁡ もともと思考なんて誰にも見せられないから、存在さえ疑わしい。でもそれを考えているのは現実にいる自分で。いや本当にそうなのか……ここで『東京都同情塔』を思い出す。考えることさえも自分だけのものではなく、他者から与えられたものなのかもしれない。さらに『10:04』の世界と呼応する瞬間の描写を言葉ではなく体験したように思い出す。こうして物語から物語へ思考が行き交うことがすでに、境界線を飛び越えていることになるのだとしたら……そんなことを潜るようにして、ブクブクとひとり今日も考えている。
    闇の中の男
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