武蔵野 (岩波文庫 緑 19-1)

2件の記録
- RIYO BOOKS@riyo_books2024年7月6日読み終わったすなわちかような町外れの光景は何となく人をして社会というものの縮図でも見るような思いをなさしむるからであろう。言葉を換えて言えば、田舎の人にも都会の人にも感興を起こさしむるような物語、小さな物語、しかも哀れの深い物語、あるいは抱腹するような物語が二つ三つそこらの軒先に隠れていそうに思われるからであろう。さらにその特点を言えば、大都会の生活の名残と田舎の生活の余波とがここで落ち合って、緩やかにうずを巻いているようにも思われる。