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RIYO BOOKS
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読了した作品の感想記事を書きます。作家が作品に込める哲学、思想、主義などを出来る限り汲み取ろうと努めています。ご覧になる方にとって、これらの記事が作品と出会う切っ掛けになれば幸いです。
  • 2026年5月23日
    これについて
    これについて
    生きるとは、家庭という名の落し穴に、 生贄として落ちることとは違う。 これからの身内というなら、 少なくとも世界が父親で、 少なくとも母親が大地だ。
  • 2026年5月16日
    父帰る・藤十郎の恋
    父帰る・藤十郎の恋
    新二郎!お前はその人になんぞ世話になったことがあるのか。俺はまだその人から拳骨の一つや二つは貰ったことがあるが、お前は塵一つだって貰ってはいないぞ。お前の小学校の月謝は誰が出したのだ。お前は誰の養育を受けたのじゃ。お前の学校の月謝は、兄さんがしがない給仕の月給から払ってやったのを忘れたのか。お前や、たねのほんとうの父親は俺だ。父親の役目をしたのは俺じゃ。その人を世話したければするがええ。その代り兄さんはお前と口は利かないぞ。
  • 2026年5月9日
    創造者
    創造者
    な黄金の渚の秘宝がわがものであることを知っており、それだけが逆境にある彼の救いだった。 同じく遥かな黄金の渚で朽ちもせず待っているお前の秘宝、 無量の漠々たる人並みの死。
  • 2026年5月2日
    赤い百合 下 (岩波文庫 赤 543-8)
    赤い百合 下 (岩波文庫 赤 543-8)
    十字架が先頭を進んできた。これは慈惠會の信徒たちが覆面をかぶって、松明を手に聖歌を誦しながら、死者を墓場に運んでゆくところだった。イタリアの風習にならって、行列は夜になってから足早やに通ってゆくところだった。十字架も柩も旌旗も、人通りのまれな河岸を飛び跳ねるようにして通って行った。ジャックとテレーズとは塀のもとに身を寄せて、足早やの葬列をやり過した。僧侶や詠歌隊の稚兒や覆面のひとびとが過ぎ、この快樂の地上では迎されぬ、邪魔者の《死神》が一緒に驅けて行った。
  • 2026年5月2日
    赤い百合 上 (岩波文庫 赤 543-7)
    赤い百合 上 (岩波文庫 赤 543-7)
    十字架が先頭を進んできた。これは慈惠會の信徒たちが覆面をかぶって、松明を手に聖歌を誦しながら、死者を墓場に運んでゆくところだった。イタリアの風習にならって、行列は夜になってから足早やに通ってゆくところだった。十字架も柩も旌旗も、人通りのまれな河岸を飛び跳ねるようにして通って行った。ジャックとテレーズとは塀のもとに身を寄せて、足早やの葬列をやり過した。僧侶や詠歌隊の稚兒や覆面のひとびとが過ぎ、この快樂の地上では迎されぬ、邪魔者の《死神》が一緒に驅けて行った。
  • 2026年4月25日
    リュヴェルスの少女時代
    リュヴェルスの少女時代
    その印象は、彼が考えていた以上にずっと大きな淵をもっていた点で際立っていたのだ……その印象は少女の管理の外にあったのである、なぜなら、その印象は致命的なほど重要で意義あるものであり、その印象の意味は、彼女の人生の中に初めて他者が、名前なくあるいは偶然に仮りの名前を持った全く特性のない、憎しみを呼びさまさず、また愛を吹き込まない第三者が入って来たという点にあったからなのだ、しかし、その第三者というのは、殺すなかれ、盗むなかれ等々と語る際に、もろもろの名や意識に呼びかけつつ、戒律がヴィジョンにおいていっているところの存在だったのである。
  • 2026年4月18日
    日輪・春は馬車に乗って 他八篇
    卑弥呼の高座は二人の方へ近か寄って来ると降された。しかし、耶馬台の兵士の中で、彼らの反絵を助けようとするものは誰もなかった。何ぜなら、耶馬台の恐怖を失って、幸福を増し得る者は彼らであったから。彼らは卑弥呼と一緒に剣を握ったまま、血砂にまみれて呻きながら転々する二人の身体を見詰めていた。彼らの顔は、一様に、彼らの美しき不弥の女を守り得る力を、彼女に示さんとする努力のために緊き締っていた。
  • 2026年4月11日
    異邦人
    異邦人
    君は死人のような生き方をしているから、自分が生きているということにさえ、自信がない。私はといえば、両手はからっぽのようだ。しかし、私は自信を持っている。自分について、すべてについて、君より強く、また、私の人生について、来たるべきあの死について。そうだ、私にはこれだけしかない。しかし、少なくとも、この真理が私を捕えていると同じだけ、私はこの真理をしっかり捕えている。
  • 2026年4月4日
    ちいさなちいさな王様
    ちいさなちいさな王様
    おまえたちは、はじめにすべての可能性を与えられているのに、毎日、それが少しずつ奪われて縮んでいくのだ。それに、幼いうちは、おまえたちは、知っていることが少ないかわりに、想像の世界がやたら大きいだろう。どうしてランプに明かりがつくのか、テレビの画面に映像がうつるのか、理屈がわからないから、想像しなくてはならなかった。
  • 2026年3月28日
    ユートピア
    ユートピア
    こういってはなんですが、あなた方のご忠告に従って、信徒がキリストの律法に従って自分の生活を律するのを嫌がるのを見て、キリストの教義を勝手に歪め、あたかも鉛の物差しのようにそれを現実の世情に当て嵌め、その結果、どうにか両者が互いにうまくいっているのは賛成できません。結局のところ、どういう好結果が生じたかというと、信徒たちが前より一層安心して悪に耽けるようになったということだけです。
  • 2026年3月21日
    蒼ざめた馬
    蒼ざめた馬
    人びとはこのなかに意味をもとめているのだろうか?わたしは鎖の環をもとめているのだろうか?ワーニャは信じているのだろうか、神を?ハインリッヒは信じているのだろうか、自由を?いや、もちろん、世界はもっと単純だ。たいくつな回転木馬はくるくるまわっている。人びとは蛾のように火にむかってとぶ。焔のなかで死んでいく。なにもかもおなじことではないか?
  • 2026年3月14日
    D坂の殺人事件
    D坂の殺人事件
    ぼくのやり方は、きみとは少し違うのです。物質的な証拠なんてものは、解釈のしかたでどうでもなくなるものですよ。いちばんいい探偵法は、心理的に人の心の奥底を見抜くことです。だが、これは探偵自身の能力の問題ですがね。ともかく、ぼくは今度はそういう方面に重きをおいてやってみましたよ。
  • 2026年3月7日
    オペラ座の怪人
    オペラ座の怪人
    わたしたちはふたりだけのために、死ぬほどうたうことになるだろう。泣いているな!わたしを怖がっているんだな!だが、わたしはほんとうは悪い人間じゃない!わたしを愛してくれ、そうすればわかるだろう!わたしが善良になるために欠けているのは愛されることだけなんだ!
  • 2026年2月28日
    白い病
    白い病
    兵隊の先頭ではなく、痛ましい人々の肉の塊の先頭にいる──あの道から、そう、この道から、今、私たちが歩き出す──私たち、私たち、私たちの側に正義はある、我らが〈白い病〉の患者の側に。私たちが求めるのは慈悲だけ──
  • 2026年2月21日
    プラトーノフ作品集
    プラトーノフ作品集
    人間に対するあらゆる搾取は、支配を目的としてその人間の魂を歪め、死に順応させることからはじまるのである。さもなければ、奴隷が奴隷にならないだろう。そして、魂に対する暴力的な損傷は、奴隷の理性が錯乱と化すまでつづけられ、ますます強められる。奴隷の内に存する(聖霊)の征服から、闘争がはじめられるのである。おまけに、支配者自身の信じているものや、その魂などに対する非難は、決して赦されないし、奴隷の魂の方は虚偽と、心身の荒廃をもたらす労働で痛めつけられるのだ。
  • 2026年2月14日
    ヌヌ 完璧なベビーシッター
    ヌヌ 完璧なベビーシッター
    彼女の心は強ばってしまった。歳月の流れの中で、心の殻が分厚く、冷たくなり、これまではなんとか打ち破ろうと闘ってきたが、ルイーズを感動させるものはもう何もなくなってしまった。もう誰も愛せなくなってしまったと自分でも気づいている。心に満ちていたやさしさはすべて使い果たしてしまった。彼女の手はもう触れるものがない。
  • 2026年2月7日
    夫婦善哉 正続 他十二篇
    『十銭芸者』を空想し、その十銭芸者を、「たまたま懐の景気が良い時」に、まねいて、まずしい饗宴をするルンペンたちの姿を、織田の、孤独な、やるせない、時には、じぶんで知りながら、無茶な事をしたくなる心が、しのばれたからである。 宇野浩二「哀傷と孤独の文学」
  • 2026年1月31日
    遊戯の終わり
    遊戯の終わり
    夜になっても、わたしたちはいつものようにしゃべらなかった。母さんは怪訝そうな顔で、どうかしたの、ねずみに舌をかじられでもしたのかいと尋ねると、ルトおばさんの方にちらっと目をやった。なにかいけないことをして、気が咎めているにちがいないと母さんたちは考えていた。
  • 2026年1月24日
    オルメードの騎士 (岩波文庫)
    オルメードの騎士 (岩波文庫)
    忘恩という悪徳は、高貴な血すじには無縁であり、つねに下賤の輩に宿るもの。要するに、恩を仇で返すということは、人間のありとある卑劣な行為の中でも、その最たるものなのだ。
  • 2026年1月17日
    嫉妬/事件
    嫉妬/事件
    私は自分がひとつの規格のシリーズに属し、その限りにおいて取り替えのきく存在であることを確認させられたのだった。もちろん私はこの論理を裏返し、彼に対する私の執着においても、若い男であることによる彼の有利さが大きく働いたと認めることができたはずだ。けれども当時の私は、客観的にものを考えるよう努めたいとはまったく思っていなかった。それどころか、自己欺瞞によって手に入れることのできる愉快さと強引さに頼って、絶望に抗おうとしていた。
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