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RIYO BOOKS
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読了した作品の感想記事を書きます。作家が作品に込める哲学、思想、主義などを出来る限り汲み取ろうと努めています。ご覧になる方にとって、これらの記事が作品と出会う切っ掛けになれば幸いです。
  • 2026年2月21日
    プラトーノフ作品集
    プラトーノフ作品集
    人間に対するあらゆる搾取は、支配を目的としてその人間の魂を歪め、死に順応させることからはじまるのである。さもなければ、奴隷が奴隷にならないだろう。そして、魂に対する暴力的な損傷は、奴隷の理性が錯乱と化すまでつづけられ、ますます強められる。奴隷の内に存する(聖霊)の征服から、闘争がはじめられるのである。おまけに、支配者自身の信じているものや、その魂などに対する非難は、決して赦されないし、奴隷の魂の方は虚偽と、心身の荒廃をもたらす労働で痛めつけられるのだ。
  • 2026年2月14日
    ヌヌ 完璧なベビーシッター
    ヌヌ 完璧なベビーシッター
    彼女の心は強ばってしまった。歳月の流れの中で、心の殻が分厚く、冷たくなり、これまではなんとか打ち破ろうと闘ってきたが、ルイーズを感動させるものはもう何もなくなってしまった。もう誰も愛せなくなってしまったと自分でも気づいている。心に満ちていたやさしさはすべて使い果たしてしまった。彼女の手はもう触れるものがない。
  • 2026年2月7日
    夫婦善哉 正続 他十二篇
    『十銭芸者』を空想し、その十銭芸者を、「たまたま懐の景気が良い時」に、まねいて、まずしい饗宴をするルンペンたちの姿を、織田の、孤独な、やるせない、時には、じぶんで知りながら、無茶な事をしたくなる心が、しのばれたからである。 宇野浩二「哀傷と孤独の文学」
  • 2026年1月31日
    遊戯の終わり
    遊戯の終わり
    夜になっても、わたしたちはいつものようにしゃべらなかった。母さんは怪訝そうな顔で、どうかしたの、ねずみに舌をかじられでもしたのかいと尋ねると、ルトおばさんの方にちらっと目をやった。なにかいけないことをして、気が咎めているにちがいないと母さんたちは考えていた。
  • 2026年1月24日
    オルメードの騎士 (岩波文庫)
    オルメードの騎士 (岩波文庫)
    忘恩という悪徳は、高貴な血すじには無縁であり、つねに下賤の輩に宿るもの。要するに、恩を仇で返すということは、人間のありとある卑劣な行為の中でも、その最たるものなのだ。
  • 2026年1月17日
    嫉妬/事件
    嫉妬/事件
    私は自分がひとつの規格のシリーズに属し、その限りにおいて取り替えのきく存在であることを確認させられたのだった。もちろん私はこの論理を裏返し、彼に対する私の執着においても、若い男であることによる彼の有利さが大きく働いたと認めることができたはずだ。けれども当時の私は、客観的にものを考えるよう努めたいとはまったく思っていなかった。それどころか、自己欺瞞によって手に入れることのできる愉快さと強引さに頼って、絶望に抗おうとしていた。
  • 2026年1月10日
    どん底
    どん底
    ゴーリキーは、ルカーの「慰めの嘘」を通して、これまでのロマン主義を求める受動的ヒューマニズムを否定しています。誰かが、国が、社会が自分たちの暮らしを変えてくれるといった考えを、彼は「人間とは素晴らしいものだ」という思いで行動に移す必要性を訴えていたのだと理解できます。ルカーの「慰めの嘘」は、薄い毒を盛られるようなもので、何度も受けると「素晴らしい人間」は消滅してしまいます。この対比は、ゴーリキーの過ごした苦しい人生経験があるからこそ、根本の本質を捉えることができているのだと考えられます。
  • 2026年1月3日
    記夢志
    記夢志
    ほんとうのところ夢は体験などというものではなく、なにか全く別個のものの侵入であって、それはわれわれのふだんの感覚ではつかまることなどできないのかもしれない。 島尾敏雄『記夢志』あとがき
  • 2025年12月30日
    ヘンリー八世(しー10-31)
    ヘンリー八世(しー10-31)
    これまでこんなに幸せだったことはない、善良なクロムウェル。ようやく今、私はおのれが分かった。この胸にはこの世の権勢より遥かに高い平和がある、静謐な良心の平和だ。王は私を癒してくれた、謹んで陛下に感謝します、それにこの両肩から、この朽ちた柱から、王は私を憐れんで、一艦隊をも沈めかねない重荷を取り除いてくださった──有り余る栄誉という重荷を。ああ、栄誉は重荷だ、クロムウェル、栄誉は重荷だ、天国へ行きたい人間にはあまりに重い。 『ヘンリー八世』第三幕第二場 ウルジーの台詞
  • 2025年12月29日
    シェイクスピア全集 トロイラスとクレシダ (白水Uブックス)
    過去の美徳にたいする報酬を求めてはなるまい、 なぜならば、 美貌も、知恵も、家柄も、体力も、功績も、 恋愛も、友情も、慈悲心も、すべてはあの 意地の悪い中傷好きな「時」の臣下なのだから。 『トロイラスとクレシダ』第三幕第三場
  • 2025年12月28日
    シェイクスピア全集32 ジョン王
    シェイクスピア全集32 ジョン王
  • 2025年12月27日
    コリオレイナス
    コリオレイナス
    早く戰が始ればいい、その方が平和よりずつとましだ、それは晝の方が夜よりましな様なものさ、陽氣で、目も耳も生き生きしてゐて、何も彼も活氣に滿ちてゐる。それに較べて平和と來たら、正に中風病みさ、冬籠りの動物そつくり、氣抜けで、聾で、何も感じない、半分眠つてゐる様なものだ、戰で人間が死ぬより、平和で生み落された父無し子の方がずつと數が多いだらう。
  • 2025年12月20日
    クリスマスの木
    クリスマスの木
    あの星が見えるだろ、アンナ、いちばんてっぺんに?あれはね、みんながこの街の冷たさしか感じられなくて、つらくなったときでも、美しいものがあることを思い出させてくれるために、ああしてあそこにいるんだよ
  • 2025年12月13日
    骨の肉・最後の時・砂の檻 (講談社文芸文庫)
    母親が幼い子供の聞きわけなさを不憫がり、或いは𠮟り、時にはまた何も判らぬ子供を抱きしめて泣きだすばかりでなく、母子心中を想う場合があるように、女は自分の味覚の聞きわけなさに手古摺らされているうちに、男が網格子の外で鶏の股肉を貪るところに見とれさせ、平げ終えて手に残った骨を関節のところでちぎって、続けさまに投げ込んでくれて、床に落ちる音をふと聞いたように感じることがあった。もし、本当にそれに与ることができる保証があるならば、寝巻の上に何かを羽織っただけの身なりで、深夜に野次馬たちが詰めかけ消火の水が流れているアスファルトの道路を素足で拉致されて行ってもいいと、女は想う。
  • 2025年12月6日
    織工 (岩波文庫 赤 428-1)
    おめえは、この世で分け前を取る──おらあ、あの世で分け前を貰うだ。おらあ、始終そう考げえた。たとえ體はずたずたに引っ裂かれても──おらあ悟りを開いているだ。おらっ達にゃ、来世の樂しみがあるだからな。あの世さ行きゃ裁かれる、けんど、おらっ達はその裁判官じゃねえ。「復讐は、吾が手にあり、かく主なる神は宣えり。」だ。
  • 2025年11月29日
    灯台へ
    灯台へ
    まるでなにかに呼ばれたかのように、リリーはあわててカンバスに向き直った。まぎれもなくここにある──自分の絵が。そう、緑や青をふんだんに使い、ラインを縦横に描きこみ、なにかを表現しようとしているものが。
  • 2025年11月22日
    桜の園
    桜の園
    おれたちはお互いに威張りあっている。だが生活はどんどん過ぎて行く。おれが長く、疲れもせず働いているときは、思考も楽で、どうやらおれにもなんのためにおれは存在しているのかわかっているような気がする。だがきみ、ロシヤには、なんのためかわからず存在している人間がどれほどいることか。
  • 2025年11月15日
    花ざかりの森・憂国
    今から自分が着手するのは、かつて妻に見せたことのない軍人としての公けの行為である。戦場の決戦と等しい覚悟の要る、戦場の死と同等同質の死である。 三島由紀夫『憂国』
  • 2025年11月8日
    黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇
    黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇
    クルーチは「病的」「黄昏」などを悪い意味に使用しているが、貝殻の病気から真珠が生まれることを信じている私は、例によって、この点には同意出来ない。むしろ逆に、私などはドイルの白昼的平俗にあきたらず、ポオの夜の夢(黄昏ではなくて夜だ)の「架空のリアル」に心酔するものである。私のもっとも愛するポオの言葉「この世の現実の出来事は、私にとっては単なる幻影にすぎない。これに反して、夢の国の物狂わしき影像こそ、私の日々の生命の糧であり、さらに強く、かかる夢の国のみが、私にとっての全実在である」 江戸川乱歩『探偵作家としてのエドガー・ポオ』
  • 2025年11月1日
    レクイエム
    レクイエム
    石の言葉が投げつけられた 私のまだ生命のかよった胸のうえに なんてことはない 覚悟はしてきた これも何とか切り抜けられるはず 私は今日はすることが山ほどある 想い出をひとつ残らず死なせること 心を石にしてしまうこと もう一度生き方を覚えること さもなければ……夏の燃えるような葉ずれの音 窓の外さながら祝日のよう 私はもうずっと前から知っていた この 明るい一日と人気のない家を アンナ・アフマートワ『レクイエム』「宣告」
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