小説新潮 2026年 8月号 (2026年 8月号)

3件の記録
DN/HP@DN_HP2026年8月11日ホラー特集のなかの一編、彩瀬まる「遠鳴り」がとても良かった。 「私たちの進化の過程には、災害時に繭を作り、内部でさなぎになって危機をやり過ごす昆虫がいた。そのせいか、現代でも私たちの中には、ときどき繭を作る人がいる。」という世界での物語。ホラーというよりも奇想として読みたい短編小説。 声優として活動しながら母、妻、あるいは嫁としても生きる女性が借りようとした仕事部屋には、繭になった先住者まだそこにいて…… 引越しを機その土地で生まれたしがらみを切り捨てようとしていたその女性と、声優の女性の途切れ途切れのコミニケーション(繭となっても自我があり話せる)、共に体験する幾つかの出来事は、その両者に(わたしから見れば)ポジティヴな変化を起こすことになる。ああ、これは奇想を使ってシスターフッド(という表現を安易に使うのには少し躊躇いがあるけれど、それでも)を描こうとした小説なのだな、とも思ってみたくなった。恐怖よりも希望を感じるような物語。読んだらちょっと元気になった気もする。



DN/HP@DN_HP2026年8月11日ホラー特集から、梨「ブラックアウト」を読んだ。有名都市伝説の新しい(かどうかはわからないけど、わたしにはそう思える)解釈。「それ」が語り出す「真実」。人間のエクストリームな嗜好、そこに至った人間の話。結構苦手な描写が続いて、少しうっと引いてしまったけど、読み終わってみたらそれにも納得出来た気がした。小説力が高い一編だった。

