名探偵の生まれる夜 大正謎百景

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- 碧の書架@Vimy2025年9月11日読み終わった文庫化待ち読了。パズルのピースを組み合わせたように、史実の登場人物や出来事がぴたっとハマって短編になっています。著者の知識と構成力がすごい。全体的に、洒脱でライト、読みやすくオシャレな雰囲気を感じます。 ストーリーにはちゃんと謎が隠されており、ここが繋がったのかー、とか、あーこれがそうだったのねー、って楽しめます。ハチ公はちょっとかわいそうだったかな。それぞれの話のページ数が違い、芥川龍之介はわずか10Pほど。しかしこの短さで、確かに芥川っぽいと感じます。 「遠野はまだ朝もやの中」では柳田国男と南方熊楠と宮沢賢治がおしゃべりしています。この3人って会ったことあるの?!って所がすでに面白いですね。うまく構成しています。 そして宮沢賢治がちゃんと方言を喋っているのもとても良い。遠野物語は「むかしあったずもな」で始まらないとね! 松下幸之助が出て来たのは小説としては珍しいように感じました。このエピソードは本当にあるの?ってまた思いました。大正時代、まだまだ知らない事だらけで夢がありますねw