＊読書で見つけた「読書（する人）」＊ 《それにしても、見合いのない日曜日とは、こんなにのんびりできるものだったか。夫は朝から都心の書店に出かけている。千賀子は自室にこもり、ベッドの脇に積んでおいた本を上から順に手に取った。ここのところ時間がなくて、買ったものの読んでいない本が何冊も積み上がっていた。今日はゆっくりと読書を楽しめると思うと幸せな気分だった。》 — 垣谷美雨著『うちの子が結婚しないので』（2019年9月Kindle版、新潮文庫）