ブランディングズ城の夏の稲妻

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ユメ@yume_bookworm2026年8月25日読み終わった感想ウッドハウスのブランディングズ城ものは、文春文庫から出ている短編集『エムズワース卿の受難録』を以前読んだことがあるのだが、長編を読むのはこの『ブランディングズ城の夏の稲妻』が初めて。本当に、とにかく楽しく読んだ。 頭の中は飼っているブタのことでいっぱいな、ブランディングズ城の主エムズワース卿。彼はブタと庭園だけを眺めて静かに暮らしたいのに、周囲がそうはさせてくれない。口やかましい妹のレディー・コンスタンス、コーラスガールとの身分違いの恋をどうにか認めてほしい甥のロニーなど、ブランディングズ城はいつも賑やかだ。 もつれにもつれる人間関係、最悪なタイミングで鉢合わせる人々、降り積もる誤解、身元を偽って城に乗りこむ者——笑いに満ちたコメディを存分に堪能した。 私のいちばん好きなキャラクターは、エムズワース卿の弟であるギャリー伯父さんことギャラハッド閣下だ。 若かりし頃は相当やんちゃだったらしいギャリー伯父さんは、今や英国社交界の錚々たる顔ぶれとなった知人たちとの悪ふざけの数々を綴った回想録を執筆中で、刊行された暁には上流階級の多くの人々が震えあがる羽目になるのだという。 この回想録の原稿を巡るすったもんだも、若者たちの恋模様と並ぶ本書の読みどころのひとつだ。ロニーの恋人スーを救うために回想録の出版を辞めると宣言したギャリー伯父さん、格好よかった。 続編『ブランディングズ城は荒れ模様』も刊行されていることが、心底嬉しい。本書を読み終えてすぐに買った。
