体内飛行

体内飛行
体内飛行
石川美南
短歌研究社
2020年3月20日
2件の記録
  • Ryu
    Ryu
    @dododokado
    2025年12月3日
    意識はあっても目を閉じていることしかできないようなときに先月はずっとこの歌集を反芻していた。 月面に雑踏ありて擦れ違ふどの人も目を傷めゐる夢 遠国の地図と思へば親指のつけ根に茜なす旧市街 決めてゐるつもりの夜にふさふさと感情線の枝分かれ見ゆ 撫でてゐる画を見ただけで撫でられたやうに動くと 脳内の〈島〉は 頼みすぎた魚も鶏も引き受けてあなたの頼もしい咀嚼力 食ひ意地に支へられたる日の終はりどら焼きの皮買ひに神田へ ゐる方が自然な人よ 胃痛分けあつてやさしき一日にゐる 天豆の収穫をしなかつたこと 黄金休暇きらめきて去る 本棚に『狂気について』読みかけのまま二冊ある この人と住む 乗り慣れぬ電車に乗つてエイリアンが真昼降り立つずぶ濡れの星 生活は新しい星新しい重力新しい肺呼吸 柔らかなミッションとして人間の肌の一部に触れて寝ること 寝言にもそつと返事をする人よ今宵わたしが吐くのは羽根だ 洗面所の床に座つて外側から崩れさうだよ夜のあなたは 閉ぢていた皮がめくれて(右)(左)違ふ星から来た目が覗く この人もエイリアンだと、かはたれの大気に触れて震へるのだと、 冷蔵庫といふ領地を分けあつて卵ポケット辺りで二人 タイヤ跡にタイヤの匂ひ 寄る辺なき体が渡る春の国道 むかつきを収めむとして半身をバナナヨーグルトの雲海へ
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