

Ryu
@dododokado
会社員
- 2026年2月9日
真夜中の子供たち(上)サルマン・ラシュディ,寺門泰彦読み終わった《(そして今、私は幽霊の役を与えられている。私は九歳で、父、母、ブラス・モンキー、そして私からなる家族全員がアーグラの祖父の家に滞在しており、孫たち私もその一人──は恒例の正月芝居をやろうとしている。そして私は幽霊の役を割り振られたわけだ。そんなわけで──それに、これから始まる芝居の秘密を保つためにこっそりと──幽霊の衣装はないものかと家中捜しまわっている。祖父は往診に出かけている。私は祖父の部屋にいる。戸棚のてっぺんに一つの古いトランクを見つける。埃と蜘蛛の巣をかぶってはいるが、鍵はかかっていない。このなかに私の求めるものが見つかる。それはただのシーツではなく、ひとつ穴のあいたシーツだ! あったぞ、このトランクのなかのこの革のかばんのなかに、古い聴診器と白かびの付着したヴィックスの吸入器の管の下にかくれて……芝居にこのシーツが登場したとたんに、ちょっとした騒ぎがもちあがる。祖父はそれをひとめ見るなり立ち上がってわめきだした。そしてずかずか舞台の上に上がってきて、観客の居並ぶ前で私の幽霊の衣装を制ぎ取ってしまったのだ。祖母は口をきつくすぼめ、ほとんど唇が見えなくなった。祖父が忘れられた船頭の声をかりて私をどなりつけ、祖母がすぼめた口から怒声を吐きだしたので、怖い幽霊も泣きべそかいた哀れな姿に変えられてしまった。何事が起こったのかも分からずに、私は逃げだし、夢中で走って、小さな麦畑へ逃げ込んだ。私はそこに──もしかしたらナディル・カーンがかつて坐ったまさにその場所に──何時間も坐り込んで、もう二度と禁断のトランクは開けませんとくりかえし誓い、しかし第一あれに鍵がかかっていないなんてひどいじゃないかという気持もいくぶん感じていた。しかし二人の怒りようからみて、あのシーツが何やら途方もなく大切なものであることを知った。)》63-64 《突然あらゆるものがサフラン色と緑色に色づく。アミナ・シナイはサフラン色の壁と緑の木造部からなる部屋にいる。隣室にはウィー・ウィリー・ウィンキーのヴァニタがいる。緑色の肌をし、白目はサフラン色に血走っている。ついに赤ん坊が、これまた疑いもなく同様に色鮮やかな内なる通路を通って降りはじめているのだ。壁の時計がサフラン色の分と緑色の秒を刻んでいる。ナルリカル医師の産院の外には、花火と群集があって、これまたこの夜の他に合わせて──サフラン色の火矢が飛び、緑色の火花が雨と降る。男たちはザファラーン(ウルドゥー語でサフラン)色のシャツ、女たちはライム色のサリーを着ている。サフラン色と緑色の絨毯の上でナルリカル医師がアフマド・シナイと話している。》256 《「……今はつまらぬ破壊的批評をすべき時ではありません」とジャワハルラル・ネルーは国会で述べていた。「悪意を抱くべき時ではありません。すべての子供たちが住めるような、自由インドという立派な家を建てなければならない時です」一つの旗がひるがえる。その色はサフラン色と白と緑。》263 - 2026年2月6日
新潮 2026年 3月号新潮編集部買った - 2026年2月6日
真夜中の子供たち(下)サルマン・ラシュディ,寺門泰彦買った - 2026年2月6日
真夜中の子供たち(上)サルマン・ラシュディ,寺門泰彦買った読んでる - 2026年2月6日
買った読んでる「新書のツボ」「人文のツボ」「外文のツボ」すごいいい企画。 紹介されてた『ネクロポリティクス』読みたい。 「ンベンベは本書の最終盤で「通り過ぎるひと(passant)」という概念を打ち出す。〈ちょうど生起しつつある過程における過去、起こっている、出現しているその瞬間において、それが起こる当のその行為のなかで、まるで何かが割れるようにして現れ〉る、その世界の変容に、意識的な人間でありたいと彼は語る。いくつもの国境や柵や壁が、「移動」を抑圧し、人々の移動可能性を不平等にする現在、移動し続けることで生き残るのと同時に、〈ある場所から遠ざかることによってのみ、その場所をよりよく名づけ、よりよくそこに住むことができる〉のだという。たまたまそのときそこにそのように生まれたという出生、人種の偶然性を、超越した視座の獲得が目指される。」(p.111) - 2026年2月3日
正反対な君と僕 4阿賀沢紅茶読み終わった - 2026年2月3日
正反対な君と僕 3阿賀沢紅茶読み終わった - 2026年2月1日
正反対な君と僕 2阿賀沢紅茶読み終わった - 2026年2月1日
- 2026年1月31日
スノードームの捨てかたくどうれいん読み終わった「ううん、何にも入ってないの。家も樹もなくて、雪だけ。白い雪のしゃらしゃらしたのだけ入ってるスノードームなのがいいよね、他にないよねってふたりで気に入って買った」 怜香の瞳がすこしくすんだ。雪だけのスノードームを一緒に気に入って買うような人とは、たぶん、結婚するべきだとわたしは思った。それが叶わなかった怜香の分まで勝手に腹が立った。 - 2026年1月31日
私的応答井戸川射子買った読んでる蝉を入れた袋は、自転車に乗る前に泣きながら空にした。私が外から押して、蟬が中で当たって抜け殻は多く崩れてた。布の袋なんかにしたから、布は色々絡め取って抱え込むから、細かいのは爪楊枝で取らなあかんやろう。目の前で岩が崩れるという経験は取り憑いた呪いで、どの場面にも当てはまるような、私の踏み出しの一歩を留めるもんになってしまうやろう。考えなんてもんは全部、頭に取り憑いてくるようなもんやけど。自然になんか身を任せられへん、自分は無力やという気持ちで、人はおかしくなったりせんのやろうか。兄ちゃんの深い踏み込みがあかんかったんか、どこででも遠慮してれば、ひどいことは起こらんのやろうか。あの時に戻れたらという地点がどんどん多くなっていって、こんな時計を舐めるみたいに時間にこだわって、時間はもう止まったらええ、父ちゃんと過ごしてた日々が一秒ごとに遠くなってしまうわと思う日と、いきなり何年でも過ぎて、変わって、その時父ちゃんは私の横におるかもしれん、早く結末を見せてくれという日どっちもある。時間に上手く身を浸せるかが鍵なんやろう、時間の使い方が、自分なんやろう。兄ちゃんは口を開けて寝てて、小さい頃指をずっとしゃぶってたからか、開いてしまった歯並びの前歯でいる。(p.16) - 2026年1月31日
友達だった人絹田みや読み終わった - 2026年1月29日
チハヤリスタート! 3たけうちホロウ読み終わった - 2026年1月29日
チハヤリスタート! 2たけうちホロウ読み終わった - 2026年1月29日
- 2026年1月25日
違国日記(11)ヤマシタ・トモコ読み終わった - 2026年1月25日
違国日記(10)ヤマシタ・トモコ読み終わった - 2026年1月25日
違国日記(9)ヤマシタ・トモコ読み終わった - 2026年1月25日
違国日記(8)ヤマシタ・トモコ読み終わった - 2026年1月25日
違国日記(7)ヤマシタ・トモコ読み終わった
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