ボトルネック(新潮文庫)

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- 喬林@unnatural_672025年4月14日読み終わったタイトルがエグすぎる。ぞわぞわしながらページめくったら解説が始まって「アッエッアッ?」とアホみたいな声が出た。家で良かった。こういう手紙の類の一文や台詞で物語が幕を閉じるの、秀逸って感じで好き。 米澤穂信作品は中学生の頃に『インシテミル』を読んだっきり(それも12〜3年前)で細部は忘れてしまったのだが、じっとりとした後味の悪さがあったことは覚えており、それはこの『ボトルネック』にも通ずるものがある気がした。どこかの紹介文にあった"青春ミステリ"という言葉から想像されるような瑞々しくて眩しい少年少女の姿はなく、舞台となった金沢の天気と相まって終始陰鬱な暗ーい話だったように思う。正直嵯峨野夫妻こそがボトルネックでは……?製造元も生育環境も同じなのにサキとリョウの生まれ持った気質があれほどまでに違うというのは、きょうだいあるあるでもあるし実にグロテスクで穂信こわ……となった。このパターンのパラレルワールドの設定は新鮮だな〜