ドストエフスキー『悪霊』の衝撃

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- CandidE@araxia2025年4月14日読み終わった「ええ、わたしはスタヴローギンが好きです。スタヴローギンを愛しています。この長編小説に登場する人物たちすべてがスタヴローギンに惹かれ、彼を愛しているのと同じように、わたしも彼を愛しています。そして、作者フョードル・ドストエフスキーが彼を愛したのと同じように、わたしもスタヴローギンを愛しているのです。」 本書は、『悪霊』翻訳者と、ロシアにおけるドストエフスキー研究の第一人者による『悪霊』の語り合いである。そう遠くないうちに亀山版の『悪霊』を読もうと思っていた折、たまたま隙間時間に本書が目に留まったので、ザザザッと目を通した。新潮版の『悪霊』を3回は通読した記憶はあるものの、現在その内容は一切忘却している私の超個人的な感想を述べると、亀山版の『悪霊』を読まないうちに本書を読むべきではなかった、と感じた。機会があれば、『悪霊』読了後に再読しようと思う。 ついでに、読書日記的なメモとして以下の抜粋。 「ドストエフスキーは、今日の精神医学において「病」として診断されるものまでも含めて、すべての精神的現象を、人間存在にかかわるかぎりない多様性のなかで扱おうとする。正常(健康)と異常(病気)という二分法から解き放たれた世界こそが、ドストエフスキーの描き出す人間世界なのである」