山の人生

山の人生
山の人生
山折哲雄
柳田国男
KADOKAWA
2013年1月25日
3件の記録
  • ræ
    @reaeon01
    2025年5月18日
  • 学生の時分によく読んでいたが、急に読み返したくなり再読。 序盤に出てくる「山に埋もれたる人生あること」貧しい炭焼き小屋の幼い兄と拾われてきた妹が、鉞で自分たちを殺してくれと親に頼んで身を横たえるエピソードがあまりにも鮮烈で、哀しい。 精神に不調を来した者たち、村落の共同体に馴染むことができずに居場所を失った者たちは死ぬか山に入るしかなかったという、ほんの100余年前の人々の人生が蒐集されている。 幼い頃に見た子返し絵馬(飢饉により子どもを育てることができず、生まれた子どもを打ち殺している母親が描かれている)に大きな衝撃を受けたことが柳田國男の民俗学の原点にもなっていること、神道学者である河野省三との論争『神道私見』に「学問とは国民が主体であること」と説いていた柳田の理念を、『山の人生』においても垣間見ることができると同時に、未だに現代の日本の社会、日本の福祉が、弱い立場の人々を子返し絵馬に描かれているような悲劇から繰り返さないような受け皿を作ることができていない事実を、苦しく思う。
    山の人生
  • ræ
    @reaeon01
    2025年4月20日
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