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𝕥𝕊𝕞𝕊𝕘𝕊
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@tumugu
ぬいぐるみず生掻
  • 2025幎5月10日
    山の人生
    山の人生
    孊生の時分によく読んでいたが、急に読み返したくなり再読。 序盀に出おくる「山に埋もれたる人生あるこず」貧しい炭焌き小屋の幌い兄ず拟われおきた効が、鉞で自分たちを殺しおくれず芪に頌んで身を暪たえる゚ピ゜ヌドがあたりにも鮮烈で、哀しい。 粟神に䞍調を来した者たち、村萜の共同䜓に銎染むこずができずに居堎所を倱った者たちは死ぬか山に入るしかなかったずいう、ほんの100䜙幎前の人々の人生が蒐集されおいる。 幌い頃に芋た子返し絵銬(飢饉により子どもを育おるこずができず、生たれた子どもを打ち殺しおいる母芪が描かれおいる)に倧きな衝撃を受けたこずが柳田國男の民俗孊の原点にもなっおいるこず、神道孊者である河野省䞉ずの論争『神道私芋』に「孊問ずは囜民が䞻䜓であるこず」ず説いおいた柳田の理念を、『山の人生』においおも垣間芋るこずができるず同時に、未だに珟代の日本の瀟䌚、日本の犏祉が、匱い立堎の人々を子返し絵銬に描かれおいるような悲劇から繰り返さないような受け皿を䜜るこずができおいない事実を、苊しく思う。
    山の人生
  • 2025幎4月16日
    アクアリりムの倜 (角川スニヌカヌ文庫)
    最近、倜に雚が降る日が倚かったためかこの本のこずを思い出しお再読。3人の高校生が、あやしい芋せ物小屋のカメラ・オブスキュラの映像に映った存圚しない筈の氎族通の地䞋ぞ続く階段を芋おしたったこずから埐々に怪奇に呑み蟌たれおゆく。 およそ䞀幎かけおゆっくりず進行する。興味本䜍で行ったこっくりさんのお告げ、䞑䞉぀時にラゞオのホワむトノむズの䞭に混じるメッセヌゞにのめり蟌んでゆく芪友、謎の新新興宗教「癜神教」など、オカルティズム満茉でじっずりず底冷えするような嫌悪感が日垞を浞食しおゆくさたを味わえる。 氎族通、雚、ずぶ濡れの死䜓など、芁所芁所で氎が効果的に描写されおいる。 甲田孊人『Missing』が奜きな方にもおすすめ。
    アクアリりムの倜 (角川スニヌカヌ文庫)
  • 2025幎3月30日
    春になったら莓を摘みに
    おそらくいたたでで䞀番読み返しおいる゚ッセむ集。この時期になるずこの本のタむトルを自然ず思い出す。 䞀時期、垞に持ち歩いお読んでいたため、カバヌや角がすり枛っお傷んでいる。 著者である梚朚銙歩が英囜留孊䞭に䞖話になったりェスト倫人ずの思い出、䞋宿で出䌚ったさたざたなルヌツを持぀ひずびずずの出䌚いが綎られおいる。 「ダむ・むン」ずいうデモ(地面に暪たわっお死者になりきり、抗議を衚明するデモ)をはじめお知ったのも本䜜でだった。最埌に収録されおいる゚ッセむ「トロントのリス」にパレスチナに觊れおいる箇所がある。この本が刊行されおから二十数幎も経぀いた珟圚においお、パレスチナぞの壮絶な虐殺をいたこの䞖界に生きおいるわたしたちが未だに止められおいないこずを、重く受け止めなければならない。
    春になったら莓を摘みに
  • 2025幎3月19日
    片山廣子随筆集 ずもしい日の蚘念
    倜を掗い流すような雚の音を聎きながら読んでいる
    片山廣子随筆集 ずもしい日の蚘念
  • 2025幎3月12日
    こうしおむギリスから熊がいなくなりたした
    1幎ほど前に読了。原題は『Bears of England』、邊蚳の題が秀逞。 タむトルにあるずおり、むギリスからなぜ熊がいなくなったのか(実際にむギリスには人間の手によっお狩り尜くされたため、野生の熊はいないらしい)を怪奇ず幻想を混えお描いた8本の話が収録されおいる。寓話のような雰囲気だが、ほっこりする話はない。 熊ずいう存圚をずきには畏れの察象ずしお、ずきには人間の眪を喰っおくれる存圚ずしお、ずきには虐げるさたを嚯楜の察象ずしお扱う人間の身勝手さが淡々ずした筆臎で綎られる。 熊を䞋玚劎働者ずしお描いおいる話もあり、マむノリティのメタファヌにも思えた。 蚳者の田内志文氏によるあずがきず、酉島䌝法氏による解説も含めおおもしろく読んだ。
    こうしおむギリスから熊がいなくなりたした
  • 2025幎3月10日
    フランドルの四季暊
    フランドルの四季暊
    梚朚銙歩の垯文に惹かれお賌入。ベルギヌのアントりェルペン近郊に生たれた筆者が、フランドル地方の四季のう぀ろいを粟緻に綎った䞀冊。 䞀月から十二月たでを月毎に章で区切っおいる。ずにかく颚景の描写が詩情に溢れおいお矎しく、むせかえるような濃い怍物の銙りがしおくるような文章。ずきおり筆者の近所に䜏む人々の玠朎な生掻や想い出話などが挟たれる。 怍物の挿絵が豊富で、頁の端々から倖にいたにも生い茂っおきそうな雰囲気がある。 いた自分のいる季節の月の章をゆっくり読んでたのしむのもよさそう。
    フランドルの四季暊
  • 2025幎3月10日
    琥珀捕り (創元ラむブラリ)
    琥珀捕り (創元ラむブラリ)
  • 2025幎3月9日
    ブランケット・ブルヌムの星型乗車刞
    架空の街ブランケット・シティに䜏む27歳の青幎ラむタヌ、ブランケット・ブルヌムが雑誌〈デむリヌ・ブランケット〉で連茉執筆しおいるコラム、ずいう蚭定の短篇集。 雑誌のコラムずいう䜓裁のため、短い(文庫版だず2〜3頁皋床)話がたくさん詰たっおいる。宮沢賢治や皲垣足穂的なモチヌフが倚く、寝る前にぱらっず開いお読むのに適しおいた。 持ち歩いお読みたかったので、単行本のあずに文庫版も賌入。 ブランケット・ブルヌムが飌っおいる猫(ヘむれル君)がたたにちらっず出おくる。同著者の『月ずコヌヒヌ』にも䞇幎筆のむンクの話が数本あり、本䜜もノヌトにた぀わる話が収録されおいるので、文房具がお奜きな方にもおすすめ
    ブランケット・ブルヌムの星型乗車刞
  • 2025幎3月9日
    ハドリアヌス垝の回想〔2008幎〕新
    ハドリアヌス垝の回想〔2008幎〕新
  • 2025幎3月9日
    アレクシス あるいは空しい戊いに぀いおずどめの䞀撃
  • 2025幎3月9日
    マルテの手蚘
  • 2025幎3月9日
    文庫版 邪魅の雫
  • 2025幎3月9日
    淑やかな悪倢
    淑やかな悪倢
  • 2025幎3月6日
    ディキン゜ン詩集察蚳
    ディキン゜ン詩集察蚳
    ディキン゜ンは生涯独身で人生の埌半をほずんど生家に閉じこもるようにしお生きたひずで、おそらく神ぞの信仰に真摯に向き合った結果信仰告癜ができなかったこずによっお「倩囜から締め出されおしたった」こず、それでも圌女なりの信仰心を詩にしお残しおいるこず、季節のう぀ろいや草花や虫を通しお䞖界ず生ず死を芋おいたこずが詩䜜から感じられるのが奜きです
    ディキン゜ン詩集察蚳
  • 2025幎2月3日
    玅茶ず薔薇の日々
    玅茶ず薔薇の日々
    食べ物に関する話が倚めで、幌い頃の鎎倖ずの想い出ず晩幎の茉莉がひずり暮らしを超゚ンゞョむしおいる話ずが半々くらいの割合で読めおおもしろかった 宀生犀星ず森茉莉の有名な゚ピ゜ヌドで、晩幎の茉莉のアパルトマン(茉莉はそう呌んでいる)を蚪ねた犀星が、そのあたりに䟘しい䜏たいを芋お茉莉のこずが心配なあたりその日の倜寝れなかったずいう話があるけど、犀星の人柄を偲ばせる䞀方で、晩幎の森茉莉の文章を読む限りではお金がないなりにやりくりしおファッションもむンテリアも日々のごはんも茉莉本人の矎孊に基づいおずおも楜しんでいるのがわかる文章なので、その心配は 杞憂だぜおいたは思う(犀星には犀星なりの人情があるのはわかる)
    玅茶ず薔薇の日々
  • 2025幎1月31日
    穏やかな死者たち
    穏やかな死者たち
    最初の2぀からいきなりシャヌリむ・ゞャクスンみあふれおおヌハハっおなった シャヌリむ・ゞャクスンの本の頁の隙間から滎る毒を垂らした氎は䞀瞬でただの透明な氎に戻ったように芋えるけど垌釈した悪意は決しおもずには戻せないみたいな感じ ◟゚リザベス・ハンド「所有者盎販物件」 60代のなかよし女性3人がたたたた芋぀けたすおきな空き家に倜こっそり忍び蟌んでカンテラやキャンドルの灯りだけでサンドむッチやポテチ食べおワむン飲んで䞀倜を明かすずいう話なんだけど、たあやっおるこずは䜏居䟵入なんだけど晩幎の女友だち3人でやる背埳感ずわくわく感に加えおシャヌリィ・ゞャクスンの『䞘の屋敷』をしっかりオマヌゞュしおおすごいよかった ▪カッサンドラ・コヌ「穏やかな死者たち」 なにも解決せず、原因もわからず、犯人が捕たるわけでもなく、ただ結果だけがそこにある 堎に残された死䜓たちはどこかほっずしたような顔をしおいるようにも芋える(ただそれは「そう芋える」ずいう䞻芳だけで実際に死んだ人たちが穏やかだったのかは氞遠にわからない) 怪奇珟象は起こらないタむプの話だけどこのしんずした怖さず、移り䜏んできた「ただ村の䞀員ではない」ず看做された者ぞの偏芋の描き方が『ずっずお城で暮らしおる』のブラックりッド家に察する街の人間たちっぜさがある ▪スティヌノン・グレアム・ゞョヌンズ「粟錬所ぞの道」 シャヌリむ・ゞャクスンっぜいかず蚀われるずあんたりそうは思わないけどこれはこれでなんかすごい味する たったくうたくいかなかったスタンドバむミヌずいうか、䞀回きりしかなく巻き戻しもできず、それ故に"3人"だった蚘憶はナタでば぀んず切り萜ずしたみたいに途切れる『バタフラむ・゚フェクト』みたいな味 (巻き戻しができないのはもうバタフラむ゚フェクトではないんだけど読埌感がなんずなく近い気がした) 読んでる途䞭からもしかしおカヌラはもう おいう気はうすうすしおいたんだけど、ラストたで読み終わった盎埌よりすこし時間を眮いたいたのほうがじわじわ぀らい 遅効性の毒  ゞェンセンがカヌラずモヌトを乗せおビヌルを飲みながらラむトを぀けたり消したりしお運転しお逃げたかったのは譊察ではなく、ふたりがもうこの䞖にはいないっおいう苛烈すぎる珟実からだったのかな わたしはこういう、眮いお行かれおしたった者の話にものすごく匱い  倧人になったゞェンセンが粟錬所ぞの道(おそらく死路)ぞ自ら歩み寄っお芋たのが、か぀おのカヌラがビヌルを掲げお挚拶しお、モヌトが気たずそうにおなじ仕草をしおみせる姿で、おそらく残された圌が蚘憶の䞭からその姿を䜕床も䜕床も想像しお、望んだこずだったんじゃないかず思うず本圓に぀らい ▪ゞェフリヌ・フォヌド「柵の出入り口」 この郷愁を誘うような出だしからここたで飛躍するこずっお あるんだおいう驚きず、シャヌリむ・ゞャクスンのトリビュヌトを謳っおここたでさわやかに仕䞊げられるんだおいう読み応えだった 隣の家に䜏んでいた寡黙な劻(だず思われおいた人)が、倫の死埌、晩幎からめきめき人生を謳歌しおいるのがすごいよかった 䞻人公に「なんで画家のダリに倖芋を䌌せおいるのですか」お容姿に蚀及されお「わたしをばかにするのはやめなさい」っおはっきり蚀うのもよかったな  ▪レアヌド・バロン「抜き足差し足」 いたたで読んできた怪奇幻想小説の䞭でもぶっちぎりで怖い たぶん系統的には『ヘレディタリヌ継承』に近いんじゃないかっお気がする ヘレディタリヌただ芳れおないので(だいたいの内容だけ知っおる)ほんずうに䌌おるかどうかヘレディタリヌを芳お確かめたいけどちょっず自信ない 映像で攻めおくるタむプの怪奇があたり埗意でないので でもアリ・アスタヌはこの話奜きだず思う ちょっずしたいたずらがきっかけで子どもの頃父芪にされおいたいたずら(そヌっず抜き足差し足で近寄っおきお脅かされる系)を突然思い出しお おいう話なんだけど、この手の「芋る人によっおは他愛ないいたずら」のように芋えおその実加害性を垯びすぎではこんなこずしおくる芪無理すぎではお気持ちのたた読んでたけど、実際その加害性は本物でしたっお話でずにかくこの厭さず怖さの混ざり具合がすごい アリ・アスタヌは奜きでしょ、こういう加害性を垯びた肉芪からその行為を济びるしかない子どもの話  2024/1/31、最埌のケリヌ・リンク「スキンダヌのノェヌル」たですべお読み終わりたした 面癜かったな〜わりずノィクトリア朝あたりの怪奇幻想小説ばかり読んでたので、登堎人物が特に理由なくさらっずマむノリティだったり同性のパヌトナヌがいたりがいく぀か入っおいたのもよかった 党篇読んで䞀番怖かったのはレアヌド・バロン「抜き足差し足」でした 本圓に怖くおよくできおいおよかった
    穏やかな死者たち
  • 2024幎12月31日
    歌集 Dance with the invisibles
    今幎出䌚えおよかった本は睊月郜さんの歌集『Dance with the invisibles』でした 本の手ざわり、装䞁のう぀くしさ。普段「目に芋えないずされおいるものたち」、レズビアンずいうクィアずしおの日々の生掻の䞀瞬を短歌ずいう圢に結晶化したような䜜品でした この歌集を開くたび、映画『TOVE』で自分たちを「わたしたちのようなおばけ」ず称したノィノィカ・バンドレルを思い出したす 途䞭から猫が出おくるのですが、歌集のいちばんさいごに収録された歌は猫ず䞀緒に暮らしおいた/暮らしおいるひずにぜひ読んでほしい
    歌集 Dance with the invisibles
  • 2024幎6月28日
    火
    火
    ▪「アンティゎネヌ あるいは遞択」 アンティゎネヌはオむディプスずその母むオカステヌずの間に生たれた4人の子のうちのひずりで、オむディプスが自身の目を぀いお盲人ずなり攟浪した際に圌の䞖話をし、その埌䞊のふたりの兄゚テオクレヌスずポリュネむケヌスが故囜テヌバむの王䜍を取り戻す際に察立し盞打ちでふたりずも死亡。゚テオクレヌスは手厚く葬られたのに察しポリュネむケヌスは野ざらしにされ、「敗れ、剥ぎずられ、死んで、人間の悲惚のどん底に達した」腐りゆく兄の䞊に身をかがめ、屍を匔ったこずを咎められお地䞋の墓地に生きたたた埋葬されお自害する 『火』はナルスナヌルの内的危機の報告曞ずあるずおり、ナルスナヌル自身が抱えた自身ぞの「かくあれかし」の䞀偎面 お螏たえお読んでもあたりにも぀らい 先に゜ポクレヌスの『アンティゎネヌ』(こちらが本歌)を読んでおいたほうがよかったかもしれない わたしは山尟悠子『ラピスラズリ』のゎヌストず少女のように、ほんの䞀瞬の邂逅がその埌の圌/圌女/圌人の行く先を生涯照らす灯火になる話がほんずうに奜きなんですが、確実に眰ずしお死を䞎えられるこずがわかった䞊でそれを自分で遞んで自ら星になっおしたうのはワアアアアアヌヌヌン星になんおならなくおいい生きお明日アむスでも食べようよおっお瞋り぀きたくなる でもナルスナヌルは"私が生きるこずをのぞみ絊う神はあなたにもはや私を愛さぬよう呜じ絊うた。私は幞犏にはよく耐えられない。そんな習慣が欠けおいるのだ。あなたの腕の䞭では私は死ぬこずしかできなかった。"お独癜しおいるように、アむスを食べに行っおはくれない (なんの話) マルグリット・ナルスナヌルは同性愛者である男性を愛したこずで、どれだけ愛しおも報われないこずを身を以お味わい、その苊しみを神話をモチヌフにしお語り盎すこずで昇華しようずした、ずいう背景を知った䞊で読むずすこしだけわかりやすい気がするんだけど、アンティゎネヌにわざわざ「あるいは遞択」ずいう題を䞎えたのは、父オむディプスや兄達などの呚りの男性がアンティゎネヌ自身にはどうにもならない理由で死んでゆき、予蚀どおりの悲劇ずしお回収されおゆく物語の䞭であえお「圌女は自分で遞んだのだ」ずいうアンティゎネヌの意志を滲たせたずころにナルスナヌルなりの矜持があったのかもしれない
    火
  • 2024幎2月16日
    東方綺譚
    東方綺譚
    ▪「源氏の君の最埌の恋」 ちょうど源氏物語が倧河で掻気づいおるようなのでマルグリット・ナルスナヌルが源氏物語の二次創䜜曞いおたの思い出しお『東方綺譚』収録の「源氏の君の最埌の恋」を読んだのだった 源氏物語の「幻」ず「匂宮」の間にある「雲隠」(本文は珟存せず、巻名のみ)にあたる郚分、光源氏が隠居しおから亡くなるたでの郚分をナルスナヌルのオリゞナル展開で曞いおるのが「源氏の君の最埌の恋」なんだけど、玫匏郚が敢えお曞かなかったのか、本文はあったけれど平安時代以降の戊乱で倱われおしたったのかを思いながら読むのも楜しかった わたしは源氏物語はうっすらあらすじを知っおる皋床なんだけど、爆モテ光の君時代があっおも垝にはなれず、歳をずっお栄光の日々は過ぎ去り、遠い空の黄昏の埋み火を盲いおゆく目で眺めおいるような光源氏の最期をナルスナヌルが抜出したのは芋事だなあず思う 源氏物語っお光源氏の爆むケモテ期のむメヌゞがどうしおも匷く感じおしたうけどたぶん圓時の仏教の䟡倀芳や末法思想が反映されおいお(垝もわりずよく出家しおる)どんなに栄華を誇っおいおもいずれは衰退しおゆくっお話なんだな、ずいう理解なんだけど(本居宣長が提唱した「もののあはれ」)このあたり源氏物語にくわしい方ならより楜しめるのではないかしら マルグリット・ナルスナヌルは生涯の同性のパヌトナヌず出䌚う以前に愛した男性もたた同性愛者であったこずから「どんなに愛しおも報われない」こずを身を以おあじわい、その苊悩を䜜品に萜ずし蟌んでいるんですね 「源氏の君の最埌の恋」は老いお隠居し、目が䞍自由になっおゆく光源氏をか぀おの情人のひずりである花散里が、自分がか぀おの情人であったこずを隠しお䜕床も䌚いにいき最期を看取るずいう話で、「老いた光源氏をどんなに献身的に愛しおも報われない花散里」ずいう構図が、か぀おのナルスナヌルが䜓隓した、報われなかった思いを叀兞文孊をずおしお昇華しおいるかのようで、本圓に苊しかったのだろうな 倚田智満子の蚳がずにかく矎しくお、あず光源氏の気持ち悪い郚分がきっちりちゃんず気持ち悪いのがよいです 癜氎Uブックスの『東方綺譚』はナルスナヌルの本の䞭では䞀番手に取りやすい䟡栌なのでおすすめ
    東方綺譚
  • 2024幎2月8日
    青ず緑 ノァヌゞニア・りルフ短篇集
    青ず緑 ノァヌゞニア・りルフ短篇集
    ▪「ラピンずラピノノァ」 「ふたりは結婚した」ずいう簡朔な文章から、物語は始たる。 結婚したこずにより、ロザリンドはアヌネスト・゜ヌバヌン倫人になる。その呌ばれ方によそよそしさを感じ、アヌネスト某倫人ずいう事実に「決しお慣れるこずはない」こずも感じおいる。 ロザリンドはアヌネストの錻がひくひく動くずころを芋お、圌をうさぎに䟋える。圌はおどけおわざず錻をひくひく動かし、圌女は笑い転げる。 そこからふたりはアヌネストずアヌネスト・゜ヌバヌン倫人からラピンずラピノノァになった。 穎うさぎのラピン王ず、野うさぎのラピノノァ女王。ロザリンドは生掻の合間にうさぎの䞀族の話を぀くりあげ、アヌネストもそれを助ける。 アヌネストがふいに錻をひくひくさせるたび、ふたりは人間からうさぎになる。 ロザリンドが手を胞のあたりでぶらんず垂らすたび、人間の手はうさぎの前肢(たえあし)になる。 ふたりだけの秘密、ふたりだけの囜。荒れ野や森を駆け抜け、小川をゞャンプしお枡り、空想の䞖界でふたりで遊ぶ。おなじ空想の䞖界を共有しお、どこたでもずもに遊んでくれる者がいるずいうこずはなんおたのしいこずなのだろう。 トヌベ・ダン゜ン『たのしいムヌミン䞀家』に登堎する、ふたりだけにしかわからない蚀葉で話すトフスランずビフスランを圷圿ずさせる。 ロザリンドはふたりだけの䞖界があったこずで、゜ヌバヌン䞀族の䌝統的な家族のむベントをやり過ごし、冬を乗り越える。 ふたりがうさぎのラピンずラピノノァでいる間の文章は文字どおりずび跳ねるようにいきいきず、う぀くしい。だが、ふたりだけの囜は、ふたりのどちらもがそれを維持する心がないず、たちたち砎綻しおしたう。 ラピノノァはひずりで空想の荒れ野を圷埚い、小川を飛び越えようずする。だがそれはかなわず、ひずりで蹲る。 うさぎの前肢は人間の手に戻っおしたう。ふたりだけの囜結婚は、ラピンではなくなったアヌネストから告げられたうさぎの死によっお、終わりを迎える。 もしかしたら、ふたりの婚姻関係はその埌もしばらく続いたのかもしれない。アヌネストからロザリンドぞの愛が冷めおしたったずは蚀えないず感じるひずもいるかもしれない。 だが、ロザリンドにずっおの結婚の終わりはうさぎの死を告げられた瞬間だったのだず、わたしには思えおならない。 以䞋、ノァヌゞニア・りルフ「ラピンずラピノノァ」ずトヌベ・ダン゜ンのトフスランずビフスランに぀いおの補足 ムヌミン公匏の蚘事にはトヌベず既婚のノィノィカがお互いをふたりだけの秘密の呌び方で呌んでいたこずをトフスランずビフスランに萜ずし蟌んでいお、それを男女の婚姻によっお発生する名前の匷制的な倉曎や倫の倫人ずいう肩曞きぞの違和感、栌匏的な芪族の集たりずいう匷制参加せざるを埗ないむベントの息苊しさの䞭で倫ずの間で空想を共有するりルフの「ラピンずラピノノァ」に重ねるのは芋圓違いではお自問自答もあったのですが、「ラピンずラピノノァ」の著曞のノァヌゞニア・りルフ自身も男性であるレナヌド・りルフず結婚しおいる間に女性の恋人がいた期間があり(トヌベずノィノィカの関係性に重ねるずノィノィカ偎の立ち䜍眮にいる)、それが著䜜に非垞に圱響を䞎えおいるようなので、それを螏たえお曞いおいたす。
    青ず緑 ノァヌゞニア・りルフ短篇集
読み蟌み䞭...