文藝 2026年 11月号
8件の記録
𓂋⟢˖⊹ ࣪@nmccormick2026年10月12日読み終わった◯いっしょに老衰しようね / 唐川らい まぶしい!これは詩である! 花蓮ちゃんがとにかく愛おしいなー 死ぬほど眩しいあなたの濃い影を踏む。ああ、もう、十七年、生きて、ちょっとだけ才能のない天折の、あなたと新聞記事の一面に載りたいよ。心中したっておそろいの走馬灯はあれないから、だからあなたと心中するのね。十七歳、新品の命。援助交際したときのぬるい体温の記憶がふわりと蘇って、愛するために、愛をするために、何が必要だったんだろうと思うよ。総悟の唇の温度を思い出すよ。唇の奥に隠された人体の暗がりを、影のことを思うよ。命は等しく発熱するのにどうしてもあなたがよかったよ。あなたを滅茶苦茶にしたい。死にたいあなたを滅茶苦茶にして、滅茶苦茶な生を貪りたいと思うよ。あなたの十七年間の日記を燃やして、新しい日記帳をあげたい、これまでの生をすべて打ち消して、血縁も、過去も、家族も、希死念慮も、耐えがたいトラウマも、達した幸福も、なにもかもと、今までのすべてと無縁の場所で、愛しあいたいと思うよ。おじさんとセックスした体で、あなたに抱きしめられたいと思うよ。あなたの過去には興味がない、と、言いたい。 坂口祐太郎。小説家になってでかくなったら私を正妻にして。音楽がうるさい。坂口にはきっとなにも聞こえてない。 私は好きじゃない男にも簡単にキスする女だよ、だから君と心中するには私は最低すぎるから、だから、最低すぎる私だから、だから、せめていっしょに、いっしょに老衰しようね。 だから今は太陽に焼き殺されるみたく、素面で踊って脱水でハイんなって、坂口がこぶしをつきあげて踊るから、私もそれをまねた、家出くんの流す音楽、どんどんうるさくなってって、いまここがど真ん中。これが坂口の小説のラストだったらどんな言葉が書かれるだろうか、それはきっとこうだ。



