100分間で楽しむ名作小説 文鳥
12件の記録
かのうさん@readskanokanon2026年4月7日読み終わった『100分間で楽しむ名作小説 文鳥 (角川文庫)』夏目 漱石 家にあった本から。 三宮麻由子さんのエッセイから夏目漱石を読みたくなった。 あとね、4月から始まったドラマに文鳥が出てきて、かわいいなと思ったので。 文鳥。 これは。漱石の随筆だと思うが、彼の性格がよく現れた話だなと思う。恐らく、すごく面倒くさい性格で家族にも相手にされない漱石が、文鳥を可愛がってみたいと飼い始めるけれど、タダでは俺に世話されると思うなよ的な。俺に世話されようとするなら弱々しく、可愛げのあるところを見せてみろ!で行き過ぎちゃったんじゃないかと想像する。 文鳥を時々女性として想像している描写がなんとも艶めかしい。 白い肌の、弱々しいおなごが好きなんだなと思った。 (この文鳥は白文鳥だと思う。) 夢十夜。 これは漱石の不安の現れ?終始こんな夢見てたら大変だな。そして難しい。 こういうわけのわからない夢はたまに見るけれど、ここまで毎日のように続くと鬱々しそう。 琴のそら音。 しっかりとして、特別占いだとか、幽霊だとか信じなくてもこうも続くと色々心配になるよなぁと思った。特に好きな人のことだしね。心配して婚約者に会いに行ってしまうところ、かわいい。

- ごうき@IAMGK2026年4月1日読み終わった「自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。 「百年はもう来ていたんだな」とこの時はじめて気が付いた。」 本書は角川文庫より出版された、「文鳥」「夢十夜」「琴のそら音」を収録する短編集であり、気軽に小説に触れてみようと少し大きな文字で素敵な短編を収録したものである。夢十夜を読みたかったのもあるが、いかんせんカバーが洒落ている。ジャケ買いなるものをしたのは今回が初めてだし、今後もうしないだろう。 さて、三作全て読破したので、それぞれに対して思ったことを残しておく。 【文鳥】 文体はシンプル。時たま文鳥を昔知っていた美しい女性に重ね合わせ具に観察する様には、どこか艶かしさを帯びながらも綺麗な感じがする。 ただ、結末には少しモヤモヤが残る。本の背表紙に書いてあるあらすじでこの文鳥が死ぬことを知っていたが、主人公(おそらく、漱石)がそれを下女のせいにしたのは解せない。主人公はそれについて「たのみもせぬものを籠へ入れて、しかも餌を遣る義務さえ尽くさないのは残酷の至りだ」という文句を言っていたが、それは究極的なニヒリズムによる暴論だろう(高校一年生の頃、自分も同じように感じていたことを思い出した)。ロマンスの中にもニヒリズムがひょっこり顔を出すのは、漱石らしさが伺える。 【夢十夜】 背中に背負った子供が石像になったり、明治時代に運慶が仁王像を彫っているなど、全体的に本当に夢の中にいるかのような雰囲気に包まれている。夢の中の不条理な風景を違和感なく読者に読ませることができる、優れた文章力を感じた。また、全夢を通して死や無為が強調されており、こちらにも漱石らしさを感じる。また、夢の締めくくりの一文にとてもセンスを感じる。何となくものすごい余韻を感じられ、本当に忘れ難い夢から覚めたかのような心持ちになる。 【琴のそら音】 漱石にしては珍しい、緩い男女のストーリーであり、夜寝付く時に色々と不安になって眠れず、けれども実際は大したことがなかったという、万人が共感できる可愛らしいストーリーと漱石のユーモア溢れる文体、教養が渾然一体となっており、不思議な読後感である。面白い。ただ、それだけに止まらず、最後には「西洋西洋と騒がれていても、こちら側がしっかりとしていれば化かされることはない」という、大衆小説らしさを醸しつつも、明治時代特有の啓蒙も感じられる。 これらの作品は全て1905年ごろに書かれたもの、つまり前期三部作と呼ばれる「三四郎」「それから」「門」より少し前に書かれた作品である。私が読んだ漱石の作品はほとんどこれらの時期のものであるが、後期三部作ではガラリと作風が変わっているらしい。これを機に、後期の作品に手を伸ばしてみたいとも思う。



かおり@6kaorin52026年1月28日読み終わった図書館本『坂の中のまち』に出てきた「琴のそら音」が気になって、読みたくて。 「幽霊の出てくる怪談かと思いきや、キュートなラブコメみたいなストーリーだ」 と書かれていたが、 漱石がラブコメはないだろうよ、 と思いながら読む。なるほど。 さすがにキュートなラブコメ、ではなかった。ほんわか ほっこり 微笑ましいお話。途中、主人公と一緒にハラハラドキドキしながら夜の道を歩いて露子さんを案じたり、クライマックスでその露子さんと婆やの笑い声につい私も微笑んでしまったり。 うーん、漱石らしからぬこの雰囲気、やはり「キュートなラブコメ」なのか? タイトルが絶妙。



- あそ@aso_aaaaa2025年1月3日読み終わった@ 日本橋年始に読んだ。 結末は想像どおりといえば想像どおりではあるが、文鳥のひとつひとつの所作や心情を淡々と、絶妙な距離感で描写する文章の書き方が美しくてかなりすきだった〜 「嘴の色を見ると紫を薄く混ぜた紅のようである。その紅がしだいに流れて、粟をつつく口尖の辺りは白い。象牙を半透明にした白さである。この嘴が粟の中へ這入る時は非常に早い。左右に振り蒔く粟の珠も非常に軽そうだ。文鳥は身を逆にしないばかりに尖った嘴を黄色い粒の中に刺し込んでは、膨らんだ首を惜気もなく右左へ振る。籠の底に飛び散る粟の数は幾粒だか分らない。殻は奇麗に吹いた。吹かれた殻は木枯らしがどこかへ持っていった。水も易えてやった。水道の水だからたいへん冷たい。」 読み終わってみるとこの本の帯に抜粋する一文の選び方は、予感を感じさせてたいへんいい 「粟はまだある。水も未だある。文鳥は満足している。」 一緒にまとめられていた『夢十夜』『琴のそら音』もおなじくすてきな文章表現で、メモをたくさん取った。








