いつ殺される (河出文庫 く 17-1)

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きらた@kirata2026年10月12日読み終わった地道で過酷な捜査とトリックを散りばめた本格推理小説 1957年に発行された『長編探偵小説全集12・楠田匡介 いつ殺される』を文庫化したとの事で、元はかなり昔の作品となります KAWADEノスタルジック探偵・怪奇・幻想シリーズと称された中の1冊で、解説·山前譲/推薦(帯)·有栖川有栖、2017年12月の発行となっている模様 読み難さを感じるほどではないのですが、世代(時代)差を感じる位には古い作品 現代から見ると首を傾げる知識(情報)があるが、そういった箇所は“昔と今を比べられる興味深い内容”だと考えるべきだろう 作家の津田野は糖尿病で足が麻痺し入院した 歩くのも辛いため、1日の多くを病室のベッドの上で過ごしている そんな津田野が見る夢と幽霊── この病室の窓だけに嵌っている鉄格子 部屋のドアが開いていると、廊下を通る患者や付添いが妙な目つきで覗いていく 若い看護婦が夜回診に来る時は、部屋に入らずドアを少しだけ開け、怯えた顔で声をかけてくる 入院して3週間、流石に可怪しく感じ始めた津田野は妻に相談する 婦長に事情を聞きに行った妻は、相手の口の重さに首を傾げながら戻ってきた ──この病室には何かがある── そう感じた津田野が妻の手を借りながら調べていくと、 ・この部屋は、八千万を横領した男が心中事件を起こして担ぎ込まれた病室だった ・男はそのまま死に、女は目を覚ましたが、看護婦達の目を盗み、病室を抜け出し入水自殺をしていた ・八千万の行方は未だ分からない ・彼らの次(津田野の前)に入院した男は、この部屋に幽霊が出ると言っていたが自殺をした 他にも、この部屋でだけ奇妙なものが盗まれている等、いくつかのおかしな話も出てくる 身動きが取りにくく、暇を持て余していた津田野は、そこに刑事事件も関わっていたので、幼なじみの石毛警部を唆して調査の手を広げていく しかし、やがてそれは、遊びや趣味では済まされない程、緊迫の度合いが増していき── 病室を舞台に入院患者を安楽椅子探偵(椅子ではなく寝台なので、ベッド・ディテクティヴ)としたミステリ、と聞いて真っ先に浮かぶのは、神津恭介の『成吉思汗の秘密』や『邪馬台国の秘密』なのですが(私の場合)、それら作品は事件が起きるのではなく‥歴史ミステリとのカテゴリで括られ(多分)、同じミステリでも少々ジャンルが異なります 本作では、幽霊の目撃から、同じ病室で起きた過去の事件を追う内に、今現在捜査·調査をしてる彼らにも犯人の手が伸びてくる、との内容になるので、ミステリ且つサスペンスフルな作品だと言えます 実は作者あとがきにもあるのですが、会話のみの文がかなり多くを占めており、個人的にはそこが少々辛く感じた (作者的には苦慮した挙句の会話文との事、詳しくはあとがきにて確認してほしい) ポンポンと交わされる会話は面白くもあるのだが、そればかりが続いたので食傷気味になったのかも知れない(私は) (感想を眺めた所、会話が多かったから読みやすかったとの意見も幾つかあった) とは言え、厚さの割に読書がスムーズに進んだのは確か 前半はややもったりしてるようにも感じたが、妻のキャラがからりとした気質で愛らしくもあるので、好感を持って読めるのが良い 言葉使いに首を傾げてしまうところもあるが、そこはそれ、時代とかそう言う何かなのだろう(??) 中盤辺りからはサスペンス味を強めた展開になり、勿論石毛警部の地道な捜査が実を結びながら至るのは怒涛のラスト 幽霊から始まる奇怪な内容と、アリバイトリック等の本格派な内容を融合させようとしていた作者の熱意と、トリック一つ一つは小さめだが、しっかりと積み重ねていく作者の拘りを強く感じた作品 立ち位置が変わっていく(ように見える)妻の姿 一昔前の頑固な刑事像、仕事に対する真摯さは己自身のプライドか 泥臭く古さもあるが、仕事に向けるその眼差しには眩しさと敬意を感じる そして──一向に見えてこない犯人の姿 読者は首を傾げながら読み進めるしかない 散らばる謎はひとつに繋がるのだろうとの想像はつくのだが、その道筋がラストに至るまで、霞のように掴みきれないのだ うん、上手い←私 なにさまですか? 幽霊との怪談風な内容から始まり、社会派的なミステリとしての結末を迎える 探偵小説であり警察小説の面もある 作者の創意工夫と熱意が凝縮されたような面白い作品と出会えました(ૢ˃ꌂ˂⁎) 私の好みの範囲とは少しズレてるけど、読みやすくて生真面目さ(ミステリに向ける姿勢みたいなもの?)も感じて、好感を保ったまま読み切れた作品 こういう本と出会えると、まだまだ色々良い話があるよね!と、古い作品を探したくなるのです

きらた@kirata2026年10月11日読み始めた今日からこちらを読み始めます(òωó)ゝ✨️ 昭和の時代のミステリで初読み作家さんですよ〜! p📕q・ω・。) ⁾⁾ ちょい厚め(400頁台)

