経済学オンチのための現代経済学講義

経済学オンチのための現代経済学講義
経済学オンチのための現代経済学講義
ダイアン・コイル
筑摩書房
2024年1月24日
1件の記録
  • シクロ
    シクロ
    @sicrobei
    2025年4月23日
    経済学オンチだから読ーもぉっとという軽い気持ちで買ったら、経済学の基礎が分かってる前提の専門書だった。原題「Cogs and Monsters: What Economics Is, and What It Should Be」なのだけど、なぜ日本版はこのタイトルに。ということで、めちゃくちゃ飛ばし飛ばしで読んだ。 今自分が気になるのは、倫理に関わる部分というか、何を価値や目的に据えるのかという部分なのだと思う。経済学は、様々な前提を設けて、使う変数を絞り込み、初期条件を与えて遷移状態→平衡状態まで進めて、アウトプットに評価を行うことで、複雑な現実をモデル化・解釈する。どの変数を与えることで現実をモデル化することができるかが腕の見せ所であり醍醐味のような気はするけど、前提条件・初期条件・アウトプットの評価がより重要に思えた。というか俺はそういうところが気になるんだろう。合理的に振舞う人間、合理的とはどういうことを指すのか(ハイブランドが模造品排斥のキャンペーンを展開したとしても、模造品がなくなったとして、じゃあ模造品を買っていた人は本物を買うかというとそんな訳はなく、安価な代替品を買うという例が興味深かった)。何を評価指標や前提とするかによって、貧困層のメリットが減ったとしても富裕層のメリットがトータルとして上回れば意味があるとして政策が決定されることがある。どういう前提が暗々裏にある提案なのかを分かったうえで、判断すること・それを実行を出来る人が果たしてどれだけいるだろうか。
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