夜が明ける(新潮文庫)

5件の記録
- haku@itllme2025年7月10日読み終わった西加奈子さんの作品は2冊目だ。 どんな物語なのだろうと思ったけれど 最初の1ページ目でこの物語には西さんの 世界への訴えみたいなものがあるのだと悟った。 "アキ•マケライネン"はこの世にはいないことを知る前に自分でインターネットで調べた。 印象に残っているのはおさ誰よりも"遠峰"だ。自分の貧困を絶対に恨まないように自分で全て背負って、弱音も吐かずに生きて行くことを"戦う"と言った彼女に違和感を感じた。 それは恐らく最後の方に出てくる森の言葉である"苦しかったら助けを求めろ"という言葉の全てが遠峰の中で認識されていないように感じたからだ。 そして、その姿が私と私の知っている誰かに当てはまったからだ。 この物語を読んだ後でも"俺"や"田沢"のように"森"を何処か嫌ってしまう私はまだ怖さを引き受けられていない。 この本で西さんが言いたかったことは簡単には伝わらないけれどそれでも私がこの本を手に取ったことは自分を取り戻す何かに繋がる気がした。 この作品は読み終わると自分を否定しなければいけないことに苦しくなった。 いつか引き受けられるようになりたい。