フルトラッキング・プリンセサイザ

フルトラッキング・プリンセサイザ
フルトラッキング・プリンセサイザ
池谷和浩
書肆侃侃房
2024年5月20日
6件の記録
  • DN/HP
    DN/HP
    @DN_HP
    2025年5月4日
    ああ、今わたしは小説を読んでいるのだ、と思うというか、そのことに喜びを感じる文章というのがある。昨日読んだ。友達が送ってくれた本。かけていたカセットのタイトルにつられて、この瞬間はTRUE LIFEぽいと思う。それは適当な気もするけれど、素敵な音楽と心地よい気候のなかで、わたしは小説を読んでいた。 最初のセンテンスで好きだとわかるフローがあった。少しずつ、断片的に、登場人物の人柄と、彼女の生きる世界が浮かびあがってくる。共感とわからなさが、もちろんある。彼女とその世界のことをもっと知りたいと思う。同時に、それらを読むことで、「ひとつ思い出すと湧いてくる」わたしの記憶と思いがあった。それらを一緒に“読み”進めていく。意識して、ゆっくりと。 窓から入ってくる日差しと風。登場人物が「苛立ち、ため息がでるほど」嫌っている「蒸して生暖か」い感じの全くしない、乾いた文章。昨日みたいな日に新しい服に袖を通すような、サラッとした感覚。すべてが心地よくて、いまこの時間には完全に納得出来る、小説と、いまだけだとしてもこのLIFEも素晴らしい、と大袈裟なことを思いたくなっていた。 「春でも夏でもない、ただ連休としかいいようのないあの晴れて明るい感じになだれ込んでいこうとする勢いを」をわたしも小説を読みながら感じていた。今日みたいな日はそうやって表現することが出来るのか、と感心と少しの嫉妬も覚える。物語の中に出てくる街、多分池袋やお茶の水〜秋葉原、それにVRのなかの調布や布田、国領の周辺は何度も歩いたことがある。それぞれの日の天気ははっきりとは覚えていないけれど、この小説を読みながら思い出されるそれらの街の景色と気候は、どの街でもそんな風に「晴れて明るい」、気持ちの良いものになっていた。 登場人物が作中では一度だけ訪れる「秋葉原から一本」の街には、わたしも一度だけ行ったことがあった。嫌な思いが残っているその日だけは、雨が降っていた実際の天気と、そのときの気持ちがそのまま湧き上がってきた。また落ち込みそうになる。それでも日差しと風と音楽と、この小説がその感情を優しく包みこんで落ち着かせてくれた。不快ではない暖かさを感じていた。あの日の気持ちも塗り替えられるかもしれない。今日みたいな日にこの小説を読めたことが嬉しくなった。読むべき小説だったとも思った。その偶然を、やっぱり信じたい。 わたしも「うつヰにまた会いたい」から表題作の未来と過去を描いた二篇はまだ読まずにとってある。昨日からお気に入りになった栞を丁寧に挟んで、カバーをかけ直してポーチに大切に入れておく。ありがとう。また近いうちに。この文章を書いている後ろで流れているのは同封されていたMIXCD。気候も音楽も心地が良い。今日も納得できる日になれば良いなと思う。なる気がしてきた。ありがとう、ともう一度思う。
    フルトラッキング・プリンセサイザ
  • Blue moon
    Blue moon
    @mimosamimi
    2025年5月4日
  • DN/HP
    DN/HP
    @DN_HP
    2025年5月3日
    ああ、いま小説を読んでいるのだ、という幸せな感覚を味わっている。
    フルトラッキング・プリンセサイザ
  • DN/HP
    DN/HP
    @DN_HP
    2025年5月3日
    「春でも夏でもない、ただ連休としかいいようのないあの晴れた明るい感じになだれ込んでいこうとする勢い……」 そうか、今日みたいな日はそうやって表現出来るのか、と思ったし、今日読むべき小説だったと思いたくもなった。
  • DN/HP
    DN/HP
    @DN_HP
    2025年5月1日
    友人が送ってくれた本を、同封されていたMIX CDを流しながら読みはじめる。
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