室町小説集 (講談社文芸文庫)

室町小説集 (講談社文芸文庫)
室町小説集 (講談社文芸文庫)
花田清輝
講談社
1990年10月10日
2件の記録
  • ゆらゆら
    ゆらゆら
    @yuurayurari
    2026年9月26日
    後南朝をテーマに、歴史的史実を自由に脱臼させつつ、自らのフィロソフィーを織り込んだ5つの小説集。 「『吉野葛』注」がその始まりで、谷崎潤一郎「吉野葛」を否定的に批評する体裁だけど、著者の興味は後南朝にまつわる話に向かってて、それがまず知らない話ばかりで面白かった。 「画人伝」は、源頼朝の肖像画(瞳に着目)と室町幕府6代将軍の足利義教の肖像画との比較から、前者を公家センス、後者を武家センスだというテーマを出してきて、さらに義教像の画家として、赤松家遺臣の小谷与次と同人物として忠阿弥なる人を設定し(架空らしい)、忠阿弥の作品(百鬼夜行絵巻とか花鳥図とか李白観瀑図とか)を語る形で中世美術評論を展開する、手の込んだ作品で面白かった。 「開かずの箱」は、北朝と南朝が自らの正当性を証明する物として奪い合う三種の神器・八坂瓊曲玉の入った箱を巡る話(箱の中身は誰も見たことがない)。赤松家の小寺藤兵衛入道が曲玉を奪うため地元実力者・小川弘光に近づこうと観修寺経茂と親しくなり、花見に奥吉野へ連れ出す。ものぐさ太郎のモデルのような経茂を“卧者”と呼ぶのが、小川公代さんの話で知ったウルフの“横臥者”と通じるようで興味深かった。 「力婦伝」は、丹生川上神社の話や一帯の産物・水銀の話題も出てきつつ、引き続き、入道が南朝から曲玉を奪うべく奥吉野へと入る話。“力婦”(=暗殺された南朝の王子達の母・山邨御前)が曲玉を護りながら葛作りやマムシを倒す力強い様子を描き、最後は入道が按摩の技術を買われて山邨御前に捕まったという終わりで、ほんまかいな、と思って笑った(本当ではない)。
  • ないとう
    ないとう
    @lpicnic
    2025年5月2日
    なるほどなあ
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