左川ちか 青空に指跡をつけて
2件の記録
みつき@mitsuki_o2025年11月15日読み終わった借りてきた@ 自宅詩論。あえて評伝的な記述や左川の人生に関連させた論考は最小限にとどめられ、作品そのものを分析する態度で徹底されている。 アダプテーションやインターテクスチュアリティといった用語を使いつつ、左川は他者や自身のテクストを再構築し作りかえていったと指摘した箇所が面白い(pp69-70)。同じく改稿癖のあった稲垣足穂との対比では足穂は月、左川は太陽の詩人とされる(pp127-128)。本書の最後ではゴシックと左川を結びつけ、そこに左川の現代性と未来をみようとしているのだが(pp213-220)、この試みは逆に左川の可能性を狭めているように感じた。


