夜の道標

9件の記録
- のり@1422525nrk2025年10月27日読み終わったいろんなものを見て、しまっておけよ。 ふいに、男の声が身体の内側で響いた。 男からかけられた、最後の言葉。 突然、水の中に飛び込んだみたいに、鼻の奥が痛くなった。 うまく息ができなくなって、喘ぐように息を吸い込む 。吐き出す声が嗚咽 になる。 あれが最後だったのだ。 おじさんは捕まってしまった。

橘海月@amaretto3192025年8月16日読み終わった#ミステリ『嘘と隣人』の平良刑事が登場する。2年前の事件の犯人を追う刑事の平良、バスケの大会を控えた桜介と波留、惣菜屋でパートをする豊子。四人の視点で物語は展開するが、波留と豊子はそれぞれ人には言えない秘密を抱えていて…。『僕の神様』にも通ずる子供の無力さが痛々しい。 序盤で波留が父に当たり屋をさせられているのと、豊子が指名手配犯の阿久津を匿っているのは知らされるが、そこからどう物語が動くのか予想がつかずハラハラした。恩師だった戸川を殺したのは本当に阿久津なのか、だとしたらなぜなのか?舞台がなぜ1998年なのかも含め最後はあっとなった。 『僕の神様』でも嫌というほど思ったように、子供は親を選べないし、子供であるということは不自由の極みだ。そこに虐待が存在しても、薄々だろうがハッキリとだろうが周囲が気づいていてもどうしようもない。いっそ、親がいなければ子供だけは救われる場合もある。それはまた別の物語で別の地獄だったが。 最後の行き場のない波留と阿久津の逃避行が、それでもあの瞬間だけでも希望に満ちたものに感じた。ずっと父親に縛られてどこへも行けなかった波留と、潜伏し文字通り外に出られなかった阿久津の、束の間の自由だったから。





