洛中洛外図・舟木本を読む

2件の記録
- りおかんぽす@riocampos2025年5月19日読んでる全7章+プロローグ・エピローグの構成。 「Ⅰ 舟木屏風の発見と美術史研究」。発見経緯から、画家が岩佐又兵衛に固まる(反対していた辻惟雄が賛成に回るまで)経緯を記す。また従来の研究が右隻偏重であることも指摘。 「Ⅱ 紺暖簾と「吹上げ暖簾」」。島原へ移転するまえの遊廓だった六条三筋町(六条柳町。現在の東本願寺の北方)が舟木屏風の右隻第6扇下部に描かれる。遊女屋の戸口にかかる暖簾が紺色(呉服屋などの格ある店を示すもの→遊女屋を示すものにも)であること、そして暖簾がまくりあがり店内を描く技法(「吹上げ暖簾」と命名)を指摘。また舟木屏風には遊廓以外の地域にも同様の紺暖簾が上がる状況が描かれる。公認の遊女屋が元和三年〜四年(1617-18)に奉行所へ訴えていたことも解説。これらから描いた時期を大坂の陣(慶長十九〜二十年(1614-15))の直前ごろと推定。