アフター・サイレンス

アフター・サイレンス
アフター・サイレンス
本多孝好
集英社
2021年9月3日
2件の記録
  • ちよこ
    ちよこ
    @tiyoko
    2025年9月3日
  • きゅう
    きゅう
    @sui__cl
    2025年5月19日
    言葉では、自分の思いをすべて伝えきることはできない。 そして、変えたいと願う現実も、言葉だけでは変わらない。 どれほど考え抜き、感情を注ぎ込んでも、冷たい現実はそこに残り続ける──そのもどかしさが、胸に刺さる。 絶望の中で、不安に揺れながらも、言葉にしようとする。時に言葉は溢れ出し、抑えきれない感情となって表れる。語らずにいられない衝動に駆られる。 けれど一方で、そっと口を閉ざす瞬間もある。話したくても、話せない。沈黙しか選べないときもある。 その沈黙が、決して逃げではなく、意志の現れであること。「あえて語らない」という選択がもつ力。 その静けさが、何よりも雄弁であるように思えた。 話すこと、聴くこと、沈黙を守ること、沈黙を破ること。 そのはざまで揺れる心を丁寧に掬いあげた物語だった。
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