久生十蘭ラメール戦記
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ゆらゆら@yuurayurari2026年8月10日読み終わった海軍報道班員として従軍した十蘭が、「報道班員」の肩書で発表した短篇を中心に編んだ、16篇の戦争小説集。ほとんど「敵」の姿が出てこないのは、前線でないからかもしれないけど、戦中の価値観で書かれてるはずなのに、解説で川崎賢子さんが書かれてるように、審美的な文学になってるのが不思議な読後感。 3年振りにかつての親友で美食家の高橋信吉に上海で再会する「上海饅頭」は話がどこに行くのかわからない面白さがあり、民間漁船から徴用された海軍の乗組員が悉く個性的な「海図」や、どこか可笑しみある推理小説風の「効用」、戦地での“食”への拘りが感じられる「酒保」「給養」など、とにかく小説の多様さが見事だった。 各短篇の初出は1942年から1945年7月にかけていろんな雑誌に掲載されたものみたい。「ラメール戦記」というタイトルは、河出の文庫化の際につけられたものなのかな。あとで調べねば。



