わたしが降らせた雪

わたしが降らせた雪
わたしが降らせた雪
グレース・マクリーン
堀川志野舞
早川書房
1件の記録
  • fuyunowaqs
    fuyunowaqs
    @paajiiym
    2025年5月25日
    物語の内容にあわせた切り絵風の装画は西淑さん。 児童書のような装丁と語り口なのに、一般書の棚に並んでいて気になったが、たしかにティーン向けのコーナーには置きづらい本だと納得した。友と呼べる存在がおらず学校ではいじめられていて、安心できる居場所のない10歳の2世信者の話。読み進めるにつれ気分が落ち込んで体調が悪くなるほど主人公が不憫でどうしようもない。保護者やおとなの手も届かず、追いつめられて苦しむさまを見るのはつらかった。 ラストではよい方向に進む兆しが描かれたけれど、ぜんぜんまったく一切得心がいかない。薄氷の先にかすむ幻影のように心許ない希望が、逆に不安をあおってくる。 以下68ページから引用。 "みんなが色々な物事を信じないのは、怖がっているからじゃないだろうか。何かを信じるということは、間違っているかもしれないということで、もしも間違っていたとしたら、傷つくことになるかもしれない。" もう一ヶ所、373ページから引用。 "ひどく興奮したかと思えば、すごく怖くなり、興奮するのにも怖がるのにもうんざりし、とにかくすべてを終わらせたくなった。"
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved