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fuyunowaqs
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@paajiiym
読んだ本の内容と感想を気ままに載せます 2025.03.07〜
  • 2025年8月26日
    昼の家、夜の家
    昼の家、夜の家
    #WITMonth 2025 として。作者のオルガ・トカルチュクはポーランドの作家。 周囲の人やものに対する丁寧な目配りとなめらかで落ち着いた語りの中でとつぜん、でもごく自然な流れでエノキのコロッケのレシピが出てきて笑ってしまった。
  • 2025年8月26日
    奔放な生、うつくしい実験
    奔放な生、うつくしい実験
  • 2025年8月24日
    ペンギンにさよならをいう方法
    ペンギンにさよならをいう方法
    年初の刊行案内から楽しみにしていた"Away with the Penguins"の邦訳 ISBNから引いたデータなのにKindleマークがついている(既知のバグ)
  • 2025年8月24日
    きつね
    きつね
    #WITMonth にぴったりの本だった。また来年の8月に読みたい。楽しくないとかわからないとか言いながらも、第一部からずっと芯の通った語り手に対する信頼が積み上げられていくので、読み進めることに不安はなかった。締めくくりとなる第六部では、見事にその信頼に応えてもらったという満足感が得られた。親しみやすいシーンだけをつまみ食いするのではなく、距離を感じた部分や、作中で挙げられた著作物にも目を通してみてよかった。 第五部は痛快なナボコフ滅多斬り、第六部は姪との生活で得た実感に拠る文学の今後に対する眺望。連関するきつねというモチーフについて、語り手のいだくイメージと個人的なイメージが交わらない点も多いため毎回チューニングが必要で、その違和感も楽しかった。 装画はさかたきよこさん、装幀は仁木順平さん。
  • 2025年8月23日
    きつね
    きつね
    第三部も語り手中心の述懐。偶然の出会いと別れが早回しのように語られるが、日常のあちこちに戦争の爪痕と面影が残っている。きつねも出てくる。"侵入者"によれば、エジプトでは地雷原のことを「悪魔の庭」と呼ぶらしい。村でも集落でもない、"地図上の染みのような"場所の話。星と地雷だけの場所。 第四部は第一部に似た印象で、個人的には楽しめなかったので読み流した。戦争や革命に翻弄されたロシア・アヴァンギャルドのオベリウ派の特定人物に執着する女性作家、を追いかける語り手による物語。記憶に残ったのはスプリンクラーのたとえ。また、モーツァルトに対するサリエリは、むしろモーツァルトよりも便利なアイコンだと感じた。ここでもやはりきつねについて言及される。
  • 2025年8月22日
    星の花
    星の花
  • 2025年8月19日
    インドネシア
    インドネシア
    先に読んだフィンランドの特集がよかったので、同じシリーズから、個人的にもっとも関心を寄せているインドネシアの特集も読んでみた。こちらは2020年4月刊行、COVID-19によるパンデミックで世界中が混乱していた時期。 写真が豊富で読みやすくわかりやすい、うれしい。とくに、あの美しい民族衣装に欠かせないろうけつ染めの布「バティック」について、大まかな作り方が紹介されていて、調べ物の足がかりにできそうでありがたかった。
  • 2025年8月19日
    フィンランド
    フィンランド
    現代の、というより現在のフィンランドの暮らしを知りたくて、新しいデータが反映されたものを選んだ。2024年9月刊行。通して読んでみると、長らく醸成されてきた"北欧の先進国"に対する既存のイメージを逸脱するものはなく、安定した印象を受けた。 巻末資料の「フィンランドの歴史」では、隣国であるスウェーデン、ロシア、ソ連からの侵略と支配に飜弄されてきた歴史が1ページで簡潔にまとめられている。こういった背景を知ろうとせずに、現代のキラキラした表層だけすくいとって消費する風潮には加担したくないと強く思った。
  • 2025年8月18日
    クレーとマルク 動物たちの場所
    クレーとマルク 動物たちの場所
    パウル・クレーとフランツ・マルク、同年代のふたりの画家が動物たちを描いた作品と、家族ぐるみの絵葉書のやりとりがフルカラーで収録されている。時系列に並べられたものとそうでないものがある点は注意。やはりここでも「戦争さえなければ……」と暗い気持ちにさせられる。
  • 2025年8月17日
    きつね
    きつね
    #WITMonth 2025として。作者のドゥブラヴカ・ウグレシッチは旧ユーゴスラヴィアから亡命したクロアチア語作家。 六部構成の長編。 第一部はまったく楽しめなくて苦しかった。神話や物語論、民俗学の視点はいいとして、洋画に関する広範な知識が求められる。自分にはその下地がないから、わからないことだけがわかる。映画作品の話をしている場面も、そうでない場面も、つねに映画にまつわるイマジネーションが求められた。 諦めてほかの本を……と散漫になりつつ読み進めた第二部が意外にもおもしろくて驚いた。 映画の知識を要求される点は相変わらずだが、あらゆるものに対して文章がとげとげしくて、読みながら引っかき傷のようなものが無数にできるのを感じた。語り手を含む作中人物にも、彼女たちを取り巻く世界にも、そして当然読者にも噛みついてくる。とがった表現の根本には鋭い洞察があり、冷笑とは無縁の生真面目さの表れと見えた。あるいは、露悪とラベリングするにはあまりにもささやかな抵抗。 第二部を楽しめたことがうれしくて、今なら第一部も違った読み方ができるかも〜〜〜とページを遡ってみたが、ぜんぜんだめだった。
  • 2025年8月16日
    科学はこのままでいいのかな
    『極北の海獣』を読んでから落ち着かない心を鎮めるために、科学、とくに生物に関するものを一冊読みたくて選んだ
  • 2025年8月15日
    極北の海獣
    極北の海獣
    人為絶滅をテーマに、18世紀カムチャツカ半島、19世紀アラスカ、現代のヘルシンキという異なる時と地域を繋ぐ傑作だった。 さまざまな自然災害の記録と適応の歴史を持つ国に長く暮らしていると信じがたいことだが、キリスト教徒が多数を占める欧米の「自然は人間によってコントロール可能なもの」という考え方はフィクションではなく、良い意味でも悪い意味でも日常生活の隅々まで根を張っていると感じる。「我々だけが神に赦されている」という特権意識より不遜な「あらゆるものは自分たちが使うために用意された」という無意識、これらの価値観とそれによって生じる問題が淡々と描かれるので、その度ごとに胸が悪くなる。とくに水産資源に関しては、日本もいまだに政治と経済を優先して一喜一憂しながら、保護と管理という観点を蔑ろにしつづけている。他人事ではない。人の欲は際限なく、いつだって信じたいものを選んで信じてしまう。特定の宗教や状況に限らず、事実を遠ざけて想像の芽を摘む信仰は害悪だ。 本作には華々しい成功も破滅も描かれない。祝福も断罪もない。物語の印象を一言で表すなら「地味」だが、重いテーマを扱いながらも、作者の善意と希望とが感じられる構成になっている。 第三部前半は大学教授の助手として蜘蛛をスケッチする女性画家、後半は兄弟で鳥類保護に取り組む男性を軸に物語が進んでいく。対象をつぶさに観察して紙に描き写す画家は、己の目で見たものをそのまま描く。コレクションされた鳥卵の修繕に携わる標本管理士は、人の手によって壊されたものや歪められたものを元の姿に近づける。直接交わることのない二人の活動に、破壊と略奪の連鎖に抗う光を見出すことができた。100年後に第四部が書かれるとしたら、一体どんな内容になるだろうか。
  • 2025年8月14日
    極北の海獣
    極北の海獣
    #WITMonth 2025 として。作者のイーダ・トゥルペイネンはフィンランドの文学研究者で、本作が初の長編小説。 第一部は、科学軽視の海洋冒険小説 with ステラーカイギュウという内容。冒険や航海ではなく漂流かも。淡々と状況が悪化してゆくさまを読むのがなぜか楽しくページをめくる手が止まらない。 装画はミロコマチコさん、装幀は大倉真一郎さん。カバー下はもちろん、帯の下、帯の裏まで楽しめる。ミロコマチコさんの猫や人ではない大きな生きものの絵が見られてうれしい。
  • 2025年8月13日
  • 2025年8月12日
    NHK出版 学びのきほん つながりのことば学
    鈴木千佳子さんの装丁とイラストがうれしい学びのきほんシリーズ。今回はとくに表紙と帯にさまざまな生きものが描かれていて楽しい。 タイトルだけ見て一旦スルーしようとしていたが、著者がろう者だと知り爆速で購入した。読んでよかった。写真も詩も、個人的にはまだ親しみを感じないジャンルだが、いずれ味わうことができるようになればと思う。 テキストの内容はおおむね個人的なエッセイだった。思い出語りや気づきの共有といった雰囲気で、押し付けがましいところがほとんどない。近ごろ流行りのネガティブ・ケイパビリティにも触れながら、「言葉」と「ことば」の違いやその関係性についてわかりやすく書かれていた。
  • 2025年8月11日
    花びらとその他の不穏な物語
    花びらとその他の不穏な物語
    #WITMonth 2025として。作者のグアダルーペ・ネッテルはメキシコの作家。 本書に収められた短編は6作、それぞれ独立して趣向を凝らした物語になっており、退屈しなかった。好きな話もあるし嫌いな話もある一方、距離を置きたいような話もあった。十五歳の夏の忘れられない数日間を述懐する「桟橋の向こう側」と、個人による日記の形態で綴られた「ベゾアール石」は、どちらも告白の語りに並外れた力があって楽しかった。いちばんおもしろいと感じたのは、ひとつの破綻をあっさりと描いた「盆栽」。 装画は澤井昌平さん、装丁は桜井雄一郎さん。
  • 2025年8月10日
    ある女の子のための犬のお話
    ある女の子のための犬のお話
    #WITMonth 2025として。作者のダーチャ・マライーニはイタリアの作家・詩人・劇作家。 犬にまつわる短編集だけど、予想どおりと言うべきか、犬たちが悲惨なことになってしまうのは1ミクロンも見たくない、という人は避けたほうが無難。逃げてください。 犬のほかにも馬、カワウソ、鳥が登場する。いずれも人間社会に巻き込まれた動物という語られ方のように感じた。
  • 2025年8月9日
    水脈を聴く男
    水脈を聴く男
    物語がどう転がってどこに着地するのか、まったく読めないままエピローグまで走りきってしまった。歳末にこの一年で読んだ本をふり返る際、かならず思い出す……というより忘れがたい作品だった。主要人物の心情描写が巧みで、とくに喪失や離別に付きまとうさまざまな恐怖が書き分けられている。終盤は静かな夜にひとりきりで読めば一層愉しめると思う。 舞台は産油国として急速な発展を遂げるより前の、オマーン内陸部にある農村。アラビア周辺地域の作品といえば政治・歴史・宗教をメインに扱うものが目立つ印象だが、本作はそれらをベースに据えながら村落で暮らす庶民とその暮らしぶりに主眼が置かれている。終盤の展開と結末が力強く読後茫然とさせられたが、冒頭の、主人公サーレムの誕生にまつわる事件を描いた場面がミクロな悲喜劇のつめあわせでとくに気に入った。人がこの世に生まれる瞬間は大勢の目と関心、そして力が注がれる。でも死ぬときは一人。この対比が鮮やかで重い。 装画は加藤崇亮さん、装丁は成原デザイン事務所の成原亜美さん。
  • 2025年8月8日
    水脈を聴く男
    水脈を聴く男
    冒頭からおもしろくて引き込まれるまま読み進めているうちに登場人物が10名、15名と増えてきて、頻発するこの人誰だっけ……が煩わしくなり、ひさしぶりにリストを作った。一度まとめてしまえば法則のようなものもわかるし、最初から作ればよかった〜ということで第一章から読み直し。
  • 2025年8月1日
    メッセージ  トーベ・ヤンソン自選短篇集
    8月の #WomenInTranslationMonth に参加したくて選んだ。再読になるけどほとんど忘れてるので……1ヶ月かけて読んでいくつもり。 SNSでのタグは #WITMonth
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