レインツリーの国

レインツリーの国
レインツリーの国
有川浩
新潮社
2006年9月28日
1件の記録
  • ほせ
    ほせ
    @coffee_dog
    2025年6月4日
    図書館戦争との関連でとても読みたかったので読めて嬉しい。聴覚に障害を持つ女の子とある青年の出会いを描いた作品であるとともに人と人が知り合うためにはどんなことが必要なのかを感じられる作品だったと思う。人は誰しも他人と分かり合えない障害を持っていてそれは全てが見えるわけではないのだと改めて自戒した。人はみんな全部をピッタリと合わせることはできない。それでも、一緒にいたいと思える相手に出会えることが、相手も自分のことを知りたいと思ってくれることが素晴らしいことなのだと思った。 正直途中まで女の子の気持ちに共感できなかった。それは私が耳が聞こえる人だからこそ感じることであってそこは越えられないと思う。でも、好きな人の前ではよく見られたいとか共感できる点もある。どこが同じでどこが違うのか知ることの楽しさがもっと広がればいいと思った。違いを知ったからと線を引くのではなく、違いをそこにあるものとしてフラットに考えられるようになりたいと思った。と同時に相手の心情を想像することの大切さも感じた。完全に理解なんてできないけど相手のことを想像する心の気配りは、相手を尊重して大事に思うことなのではないだろうか。描写がとてもリアルに感じて作者の調査と想像力に驚いた。どんな相手であれ好きな本を通じて出会うなんてとても魅力的で憧れた。
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