世界一わかりやすい量子力学

5件の記録
- 🧠@sousoukun_2025年7月3日著者アントンツァイリンガーはウィーンで長く活動している実験物理学者でノーベル賞受賞者。 この本はフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートから始まる。ここのところクラシック音楽にハマる私にとっては想像しやすい入り。「2001年宇宙の旅」で私にとってはお馴染み(レコードを買ったばかり)。美しき青きドナウが流れ始め、視点はそのままドナウ川へ向かう。巨大な地下施設、トンネル、下水管。次に視点は「第三の男」を思い出し有名なメインテーマが頭に流れる。(第三の男もちょうど観たばかりだった。)オーストリア出身らしく序盤は音楽に溢れる展開。ドキドキとワクワクに誘われる。 その後は量子力学の簡単な歴史とアインシュタインとの関わりのお話。そして実験屋さんである著者の具体的な解説に入っていくが、実際に手を動かしながら理解していくならまだしも、実態のわからない実験を文章と簡単な図のみで説明することも、それを理解することも難しい…と感じた。(もちろんアリスとボブのストーリー仕立てにしていたり、著者の工夫と努力はめちゃくちゃ感じます) それでもこの実験部分にほとんどの「わからない」と思わせられる部分が詰まっていた。理解したいけど追いつかない。用語もなかなか難しい。実験器具の事も知らない。ほとんどAIと対話しながら疑問点を穴埋めし、読み進めるような形になった。本の厚みもなかなかあるし、読むのにかなりの時間とパワーが必要だった。(丸々1ヶ月かかった…) 理論物理学者と実験物理学者では、本の書き方がかなり違っているように感じた。実験物理学者は実際に手を動かした結果を記載する。理論物理学者のように簡潔にはならないけれど、過程も見えている分具体的で納得感を強く感じることが出来たと思う。